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狂乱家族日記 弐さつめ [小説]

狂乱家族日記 弐さつめ

著者:日日日(あきら)
イラスト:x6suke(ペケロクスケ)
出版社/メーカー:ファミ通文庫
発売日:2005/07/30 


早くも二作目の登場だ。
本当にこの作家は書くのが早いものだと痛感。
一作目のレビューは【こちら】

<概要>
地球を滅亡から救うために結婚することになった、乱崎凰火。
その相手はネコミミ、尻尾の幼児体系な凶華(きょうか)という少女。
これが愛らしい顔に似合わず、毒舌を吐きまくり。
とにかくその言動は常人の域を超えている。
まるで自分が神かのように振る舞う(本人は神だと言うが)。
さらに子供も養うことになるが、イジメられっ子の少女、オカマな青年、
ここまでは良い。そのほか、人語を話すライオン、ロボット、クラゲなど
とにかくメチャクチャな設定。
しかしながらそれぞれの役割がしっかりしていて、混乱せずに読めるという
なんとも期待できる作家が描く、ドタバタストーリー。
おそらくテーマは家族愛。


<感想(ややネタバレ有り)>
今回はハネムーンということで自家用(?)飛行機で飛び立つ、乱崎一家。

前作でイジメから救われた少女、優歌(ゆうか)の姉にあたる千花(ちか。前作の千子)も
家族として参加することに。
イジメの原因を作っていたこともあり、乱崎家の一員となったことに
多少なりとも不満があったが、銀夏メインのストーリーの時には
キーとなりそうな予感がした。
それにしても優歌は、本当に笑顔を取り戻せる場所、乱崎という新たな家庭に移って
良かったと思う。その笑顔を取り戻すことができたのも、トラブルメーカーな凶華の
おかげでもあるが…。

凶華のワガママによって、無人島へ不時着(墜落?)するハメになった乱崎一家。
相変わらず凶華の独裁的な口調には、読み手側としても呆れるばかり。
さすがトラブルメーカー、なにかやらかしてくれなければ面白くない。
海水浴が始まり、幼児体系の凶華が見栄を張るところも、
なかなか見せ場を分かっている作者だ。

謎の猿に優歌がさらわれる。
あれ、またしても優歌が主体なお話なのかな?
そう思ったが、今回のメインは雹霞(ひょうか)だった。
ロボット、いやアンドロイドと言ったほうがいいのか。
戦闘用に作られた雹霞にまつわる話がつづられることに。

形だけの家族が、また一歩、本当の家族に近づいたようだ。

この作品でわざわざ奇妙な家族構成を用意したのは、
一作ずつ、一人にスポットをあてるためだと思われる。
奇抜なキャラであればあるほど、その素性や過去はドラマティックに飾れるものだしね。
そんなキャラの立ち位置が煩雑にならないように仕上げているのは見事。


残りは帝架と月香。
終盤で、月香の謎の一部が垣間見れたのは良し。
ハッキリと月香とは言っていなかったが、間違いないでしょ。
すごく気になります。
もしかして次回は月香がメイン? いやいや、一番謎めいているおいしい役の素性は
後のほうに残して置くことを考えれば、そんなに早くは明かさないかな。

あとがきには、次回は凶華がネコミミな理由が解明されるとあった。
そういえば忘れていました。灯台下暗しです。
小説の中だというのに、あたかも画面いっぱいに動き回り、画面からはみ出るほどの
強烈な毒舌を放ち、独裁的な思考の凶華も、謎の生命体の1人でした。
そもそも理由があったのか…ネコミミに。「携帯電話」と呼ばれる超能力の源なのかな?

え、次回作は9月発売だって?
…本当に早いね、この作家。


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