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ワンダと巨像 プレイ日記(7) 物語の考察 [ワンダと巨像]






そろそろ「ワンダと巨像」をクリアしたかたも多いことでしょう。
みなさんはあの結末をどう考えたのでしょうか?


以下では、この物語について自分なりの考察と、
語られなかったバックグラウンドを想像して書いてみました。

1週目が終わっても遊ぶ要素は用意されていますが、
物語としての総括ということで、
あくまでも自分の見解を書かせていただきます。


※完全ネタバレなため、プレイ中、またはこれからプレイする方は
見ないほうがいいかもしれません。






■巨像の誕生・ワンダの最期

遠い昔、強い力を持った者たちがいた。
腕力の強い者、魔力に秀でた者……
力を持ったヒトの中には、その力に負ける者も出てくる。
力に溺れ、罪を犯す。
彼らは罪人となった。
裁きが下る。
……罪人は処刑。

しかし、力強き者はその身を失っても、魂だけでこの世を彷徨い続ける。
魂を鎮めるためには、魂そのものの処刑が必要だった。
裁きを下す者たちによる、罪人たちの魂の封印。
封印された魂は、偶像という形になった。
その後も、力強き者たちが罪人になれば、そのたびに魂の封印が行なわれた。
そしていつしか集まった偶像は16体。
いつからかヒトは、この場所を禁断の地として避けるようになった。



長い長い時が過ぎる。
偶像に閉じ込められた魂が、外に出たいと嘆き苦しむ。
その強い意志が、禁断の地に巨像を生み出した。
ある者は空を飛び、ある者は水の中へ……
それはきっと、生前に彼らと深い関わりがあった形なのだろう。
巨像は言葉を発しない。
ただただ過去の自分の罪を嘆き、その地で漠然と彷徨うだけの存在。



その中に1つだけ特異な魂が現れた。
16の魂の集合体なのか、
それとも罪人たちの魂に引き寄せられてきた存在なのか。
その名をドルミンと語った。
自分は何者なのか、ドルミンでさえ分からない。
しかし、彼の中にはヒトとして生きたいと願う気持ちがあった。
なぜこんな気持ちがあるのか、その意味すらわからなかったが……。



あるとき、1人の青年が少女をかかえてやってきた。
ドルミンは兼ねてから考えていた思いを実行することにした。

この地にいる16の魂を開放。
すなわち16体の巨像を倒すことを提案する。
開放された魂は、生命の宿る個体を欲する。
この青年の体に、この地に彷徨うすべての魂を宿らせ、
そこに自分の意識を滑り込ませることによって
自分は生ある存在になれるのではないかと考えた。

幸いなことに、この青年は少女を生き返らせたいと願っている。
自分にはそんな力はない。
しかし、これはまたとない幸運。
偽りとはいえ、この青年を使わない手はない。
青年は自分のことを信じ、魂の開放へと旅立った。
巨像を倒すことによって、罪人たちを解放する青年。
罪人の魂は、生ある者に吸い寄せられるかのように
青年の身体の中へ入っていった。



そしてすべての魂が揃った。
これで自分はヒトになれる。
ドルミンは計画の成功を喜んだ。
16の魂を取り込んだ身体が目の前にある。
だが、朦朧とした青年の意識とは異なり、その生命力はとても強かった。
これでは自分の意識を滑り込ませることができない。

そこへ、別の人間どもがやってきた。
自分の計画を邪魔するつもりのようだが、
運よく青年の意識を断ち切ってくれた。
ありがたい。
すかさず自分の意識を、暴走した魂の器へと滑り込ませる。
しかしまだ身体が思うように動かない。

人間どもが封印の術を施した。
このままでは封印の渦に取り込まれてしまう。
必死に抵抗するが、身体の中から別の意識が邪魔をする。
青年の強い意識が、ドルミンを打ち払う。
封印の渦へと吸い込まれるドルミン。

変わり果てた青年の身体がそこにあった。
ドルミンに支配されていたためか、頭には角らしきものが生えていた。
操られていたとはいえ、罪人の魂を開放したのも、また罪。
彼もまた、その汚れた身体を浄化しなくてはならない。
封印の渦の中へと吸い込まれる青年。
静寂が訪れる。





……というのが自分の想像したこの作品のバックグラウンドと、
最後のやり取りに説明を加えたものです。


上記で「罪人」と書いていますが、
もしかしたら「魔女狩り」的だったかもしれません。

ある大戦が起こり、その間は力強き者は称えられた。
けれど戦いが終わるとともに、力を持つものは疎ましく思われてしまい、
封印されたとも考えられます。
無念とともに具現化された巨像。

そのほうがしっくりくるかも。


あくまでも想像ですよ。







■その他の謎

-----なぜワンダは赤ん坊になったのか

封印後に現れた赤ん坊は、きっと情状酌量の余地ありということで、
ワンダの身体は現世に残してあげようという、
神のような存在からの慈悲ではないかと。
ただ、汚れてしまった部分は洗い流さなければならず、
結果として汚れのない赤ん坊の形になってしまったと考えます。



-----なぜ少女は目を覚ましたのか

ワンダが巨像を倒すごとに、少女の周りにはハトが増えていきました。
そこから想像すると、きっと魂の悪しき部分はワンダの身体へ、
罪を悔いた清き部分がハトとなって具現化されたんじゃないかと考えます。
罪人とはいえ、元は心を持った人間。
16人分の清き心によって、
ワンダの願いを形にしてくれたのではないかと思います。
もしくは、魂を失った状態だった少女の、
その魂をどこからか呼び戻してくれたとか。
さすがに、ここまでやって何一つ報われなかったら悲惨ですし、
やはり目覚めてくれたのは良かったと思います。



-----生き残った少女と赤ん坊の行方

禁断の地から出られなくなってしまった2人は、
おそらく少女が母親の代わりになって
赤ん坊を育てていくのではないかと思っています。
見たままでですが、そこはストレートな解釈で良いと思います。



-----少女とワンダの関係は何だったのか

少女の身なりからして、高貴な家柄なのだと想像しています。
例えばどこかの国の王女。
悪い魔法使いによって魂を失うこととなり、
その悲報を聞きつけたワンダは、ある文献から禁断の地の存在を知る。
そのことを提案するも、城の者たちからは否定される。
そこで皆に内緒で、無理にでも彼女をこの地へと連れてきた……と。
そこまで行動するということは、幼馴染か恋人か。
どちらにせよ、近しい存在だったのでしょう。



-----『ICO』との関連性は?

赤ん坊に角が生えていたところを見ると、
『ICO』よりも前の話で、このあと『ICO』へ続くとも考えられます。
赤ん坊が主人公だとすると、少女が女王に?
もしかしたらそれは何世代か先の話になるのか。
場合によってはパラレルワールドとも考えられます。
自分は、無理に続き物として結合させるのはいかがかと感じているため、
パラレルワールドとして捉えています。


他のかたがどんな風に考えているのか聞いてみたいですね~。








現在タイムアタックにチャレンジ中。
前掛けが変わり、変なお面も被ってます。
きっと3倍強いです。気持ち的に。



【プレイ日記まとめ】

・ワンダと巨像 プレイ日記(6)     16体目

・ワンダと巨像 プレイ日記(5) 13~15体目

・ワンダと巨像 プレイ日記(4) 10~12体目

・ワンダと巨像 プレイ日記(3)  7~ 9体目

・ワンダと巨像 プレイ日記(2)  4~ 6体目

・ワンダと巨像 1stインプレッション 1~3体目


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コメント 1

NO NAME

どうも、はじめまして。
全て読ませて頂きました
凄く分かりやすく言い答えだとおもいます
とても参考になりました
by NO NAME (2005-12-01 03:42) 

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