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氷菓 第17話感想 十文字事件が解決! 天才に嫉妬する三人の想い [氷菓]

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「最後は派手にいきましょう」

十文字事件の最後のターゲットとなった古典部。
目の前で犯行をみすみす許してしまったものの、
すでに奉太郎は事件を解決済みだった。

第17話「クドリャフカの順番」






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人形買ってる入須先輩、そのギャップに萌えるw







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「燃えてる!」

摩耶花の飛び退く姿にちょっと笑ったw
これだけの人がいる中で最後の犯行をしっかりやり遂げたか。
ただこれまで対象物が紛失していたのと違い、燃やしたことには違和感。
「失われた」という意味では同じなんだろうけれど。







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「やられた。十文字の犯行声明だ」

都合良く電話が鳴り、それを取らなかった里志。
焼けた校了原稿を掲げて奉太郎を見る目、これは何か知ってるね。
奉太郎の冷静さも気になるし、まさか本当に自演か?







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「単刀直入な言い方しかできないのはお前の弱点だが」

えるに教えた人への頼み事の極意。
それは入須が使ってこそであり、えるには武器にならないという指摘。
視聴者全員そう思っていたに違いないw

参考になる人の真似をして、
それが自分には合わないと導き出せただけでも成長なんですよ。







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「あなたが十文字ですね、田名辺先輩」

分かりづらかったので自分なりに順番を入れ替えてまとめてみる。

<犯行の概要>
・「あ」~「こ」のうち「く」だけが抜かされたのは、それ自体がメッセージだから。
・狙われた部活は学祭パンフの左ページに集中している。
・毎回声明文が挟まれていたのは、その中から盗むというヒント。
・「く」が頭文字になっているのは、生徒会長の陸山(くがやま)の名前のみ。
・よって”陸山から何かが失われた”とういうメッセージになる。

<なぜ田名辺が犯人と思えたのか>
・昨年の学祭で発行された「夕べには骸に」のあとがきから、
 来年はクリスティの超有名作を捻ったものを出すという告知がある。
・十文字事件はその超有名作の「ABC殺人事件」に似ていることから、
 この漫画が事件の鍵になっていることがわかる。
・作者の「安心院 鐸玻(アジム タクハ)」はペンネームであり、
 関わったのは原作のアンジョウ ハルナ、作画のクガヤマ ムネヨシまでは確認済。
・ペンネームは各自の名前の頭文字を並べ替えたものであり、
 ア、ハ、ク、ムを抜くと、残るのはジ、タ。
・パンフの掲載欄を操作できるのは田名辺が委員長を務める総務委員だけ。
・陸山が絵を描けることを知っている二年生以上の先輩、
 そのすべてに当てはまるのは田名辺治朗(タナベ ジロウ)となる。

<何が失われたのか>
・失われた物は頭文字が「く」となる、「クドリャフカの順番」。
・「陸山から「クドリャフカの順番」は既に失われた」、
 すなわち陸山は原作を無くしてしまったという意味になる。







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「これを買っていただきたい」

口止めと、古典部で起こす犯行のサポート。
その引き替えに氷菓30部とはなかなか大きく出たものだw
学校の通販ページで売るための買い取りなら無理な数ではないし、
これで奉太郎も売上げに貢献したことになるね。







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「初めての原作でさ、それを書いたとしたらさ」

河内先輩ってショートだったのか!
漫画に疎そうな友人が手がけた処女作に、天才的な力量を感じてしまう。
それを認めたくない河内の気持ちも分かるよ。
長く関わってきた自分よりもなんで?ってね。







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「陸山、お前は「クドリャフカの順番」を読んだのか」

田名部が伝えたかった相手は陸山。そしてこれが本当のメッセージ。

アンジョウの原作があるにも関わらずペンを取ろうとしない陸山。
自分が到達し得ない能力を持ちながらそれを使わない相手に、
田名部は嫉妬していたのだろう。
まるで里志が奉太郎に抱く気持ちにも似ているね。







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「これで心置きなく気にすることができます!」

【速報】氷菓完売
ってことで、文集200部が完売!
里志とえるの宣伝と、十文字事件の犯行現場となったラストスパート。
なにより奉太郎が総務部に買い取らせた30部は大きかったね。
これでえるに説明しなかったら可哀想でしょw
買い取らせた件を端折って説明してあげればいいんじゃないかな。


天才を友に持つ凡人の憂鬱

アンジョウにしろ陸山にしろ、そして奉太郎も、
その類いまれない能力は、本人が気付かないところで羨まれている。
しかも本人の中では過小評価もあってか、嫉妬の目にも気付かない。
力を持った人間が近くにいると凡人はその差を感じて辛いのだろうね。
そんなことを感じる結末だったよ。




【過去ログ】
第16話「最後の標的」
第15話「十文字事件」
第14話「ワイルド・ファイア」
第13話「夕べには骸に」
第12話「限りなく積まれた例のあれ」
第11.5話「持つべきものは」
第11話「愚者のエンドロール」
第10話「万人の死角」
第9話「古丘廃村殺人事件」
第8話「試写会に行こう!」
第7話「正体見たり」
第6話「大罪を犯す」
第5話「歴史ある古典部の真実」
第4話「栄光ある古典部の昔日」
第3話「事情ある古典部の末裔」
第2話「名誉ある古典部の活動」
第1話「伝統ある古典部の再生」







タグ:氷菓
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九竜一三

どうもこんにちは。

「クドリャフカの順番」編終了…って、「え〜?!」。
もう1話あると思ってました。(^^;
だって、尺が…やっぱりOP、EDカットしても駆け足な展開で、それでも描き切れてないという…。
「愚者…」編もそうでしたが、最終話でバタバタするのは、ストーリー構成に問題があるんじゃないだろうか。
というわけで、個人的に今回は少々不満の残る出来でした。
もっとも、これはあくまで原作既読者としての不満であって、アニメ単独としては、時系列を含めてよくまとめて形にしたかな、とは思いますが。

>焼けた校了原稿を掲げて奉太郎を見る目、これは何か知ってるね。
ここの攻防は、もっと盛り上がると思ったんですが、意外と淡白。
奉太郎を見る里志の表情で逆に、白けてしまった感もあります。
あの表情は視聴者にも先読みさせてしまうので、普通に悔しがるという展開で良かったと思います。
それと、えるはもっと(原作のように)ショックを受けてしかるべきでは?

>えるに教えた人への頼み事の極意。
>それは入須が使ってこそであり、えるには武器にならないという指摘。
ここも描き切れてないかな。
もっと前の段階、放送部の放送が終わった時点で、えるは自分自身で気疲れの正体に気づいています。
アニメでは、(やや微妙ながら)入須に指摘されて初めて気づいたような描写になっちゃってますよね。
この部分、自覚的に悟ってくれてないと、本当にえるが鈍く感じられてしまう…。

>「あなたが十文字ですね、田名辺先輩」
この謎解き部分は、大分簡略化されていますが、わかりやすく、うまくまとまっていると思いました。
時系列も、里志(および奉太郎自身)の回想という形を取ることで、無理なく挟み込まれていますね。

>買い取らせた件を端折って説明してあげればいいんじゃないかな。
「総務委員会が買い取って通販する」ことについては何の問題もないので、説明はするはずですよ。
というか、原作ではしてます。

>天才を友に持つ凡人の憂鬱。
「クドリャフカの順番」編全体に仕込まれた仕掛け。
それは、「十文字事件」を含む全てのエピソードのいテーマを、たった一つのキーワードで成り立たせていること。
キーワードはもちろん「期待」です。

メインである里志、摩耶花、河内、田名辺は自分自身への期待と失望の物語(「天才を友に持つ凡人の憂鬱」もここに含まれますね)。
ここでは里志と田名辺、摩耶花と河内が対になっていますね。
えるの場合は少し違って、こちらは「期待を操る」側の物語。
そして奉太郎は今回、誰にも期待しません(最後に、自身で「切実な期待というものを、俺は知らない」と告白してますし)。
だからこそ、奉太郎は「手短だけど、自ら動いて」十文字事件を解決し、氷菓を捌けたのだと思います。

各エピソードはそれぞれに緩い繋がりを見せ、それでいて終着点は全て異なる、でもテーマは全て同じ。
この構成に気づくことができるのは、読者及び視聴者のみで、作中の登場人物は全てのエピソードを知ることはありませんし、当然そのテーマに気づくこともありません。
こんな構成、思いついても実際に組み立てる労力を考えると、かなりの超絶技巧を必要とされるはずです。
それを、いかにもさらりと見せているところに、作者の非凡さを感じてしまいます(実際には、相当苦労したんじゃないかと思いますが)。

あと、「クドリャフカの順番」というタイトルも密かに秀逸だと思っています。
里志が作中で「眼下の星に帰れると信じてた」と、犬を擬人化してその心情を語っていますが、クドリャフカが人間なら、まさにそう「期待」しただろうと思います。
そして、期待が裏切られたときの失望はいかほどだったか。
今回、その「順番」が里志や摩耶花に回ってきたわけですね。

そうやって深読みしていくと、河内の描いたボディトークの「擬人化」した猫とか、占い研から盗まれたのが「運命の輪」とか、色々と暗示的な要素が出てくるのですが、キリがないのでこの辺で。

次回は単行本未収録の短編「連峰は晴れているか」。
当方も未読なので、どんな話なのか、期待したいと思います。
by 九竜一三 (2012-08-18 12:07) 

カルディア

九竜一三さん>
こんばんは~(・∀・) ゞ

>時系列を含めてよくまとめて形にしたかな、とは

さすがに原作全部を拾えないので省略は仕方ないと思っていますが、
今回はさほど駆け足さは感じなかったですね。
「愚者」でのえると奉太郎の河原での会話よりは、ですけれど。

>あの表情は視聴者にも先読みさせてしまうので
トラップまでは見抜けませんでしたが、
おもいっきり怪しさ爆発でしたねw

>自分自身で気疲れの正体に気づいて
気疲れは感じていたものの、
その原因については入須に言われて理解したという印象を持ちました。
そう思うと自覚的に気付いたと感じる演出が欲しかったですねー。

>こちらは「期待を操る」側の物語
なるほど、する側ばかりに着目していましたが、
えるが操る側というのを聞いて「期待」というテーマが
バチっとハマりました。深いなぁ

>ボディトークの「擬人化」した猫
おお~! なるほど、読み解くと面白い。
仰るとおり、全容を改めて聞くと超絶技巧ですねこれは。凄い。

>当方も未読なので
次回から一緒に謎解きを楽しめるわけですねw

by カルディア (2012-08-20 01:26) 

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わらしべプロトコルは弟にペン先が割れて結論を出せなくなったゴミを押し付けた姉に”鏡を見ろ”と伝える為にあったから手鏡が夕べには骸(友好は骸に)に変わったんだろうな
姉が家にいないのも自分の無能さを弟に見透かされないための逃避なんだろうしな
by お名前(必須) (2019-10-09 19:17) 

カルディア

>お名前(必須)
5~6回読み直したけどちょっと何言ってるのか分からないので相手に伝わる文章で頼む
by カルディア (2019-10-12 00:13) 

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