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映画『言の葉の庭』感想 透明感のある歳の差恋愛劇![ネタバレ有りレビュー] [【アニメ】劇場版レビュー]

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「気づけば雨を祈っていた」

新海誠の最新作がついに公開!
今回はお得意の恋愛劇だ。
ってことで見てきた感想とか。

【ネタバレ注意】
見る予定のある方は読まないことをお勧めします。




◆ストーリー&感想 【ネタバレ】
以下、ストーリーに挟んで感想を書いています。

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靴職人を目指す15歳の男子高生、孝雄。
新宿御苑の屋根付きベンチで出会った一人の女性。
昼間からビールを飲み、つまみにチョコレートという不思議さ。
梅雨の時期、雨の日だけが二人で会えるという暗黙の了解ができつつ、
少しずつ打ち解けていきながら、いつしか孝雄はその女性に惹かれていく。
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庭園の描写が綺麗で、二人の出会いの神秘さが増すよう。
年上女性に対する男子高生の『よくわからないが魅力的に映る』が
チョコとビールという組み合わせも相まって、どこか遠い存在を高めている感じ。
二人はじっくり時間をかけて会話を交わす仲になるため、
恋愛劇として見ればかなり鈍行、けれどそれゆえに純粋さが伝わってくるなと。






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ここから孝雄視点と百香里視点で交互に進んでいく。
百香里がビールとチョコしか食べないのは味覚障害ゆえ(視聴者側が知る)。
梅雨が明けて雨の日が減り、夏休み中はバイトに明け暮れる孝雄。
庭園で会う機会がなくなる二人。

夏休み明けの学校で孝雄は百香里と再会することになる。
なんと百香里は古典の教師だった(孝雄が知らなかったのは担当教諭が違うため)。
百香里が学校を休んでいた理由は、ある女生徒の彼氏が百香里を好きになったことで、
その女生徒から執拗な嫌がらせを受けたことにより教師生命を追われていたためだった。
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まさか教師だったとは思わなかった。
しかも同じ学校というのはやや出来過ぎ感。
教師と生徒という立場が明確になったことで
男女の距離を縮め辛くなってしまったのは期待の膨らむ障壁だ。






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庭園で再び顔を合わせる二人。
突然の雨に濡れ、百香里のマンションへ。
そこで互いが、この瞬間が今まで生きてきた中で一番幸せだと悟る。
唐突に孝雄からの告白。しかし百香里は自分が教師だということを強調する。
部屋を出た孝雄を追いかけたい衝動を抑えようとする百香里は、やはり耐えられず駆け出してしまう。
だが階段の踊場で、孝雄から「あなたはずるい」と告白の撤回を受ける。
「俺が生徒と解っていた、俺のことを聞いてくるくせに自分のことは何一つ言わない。
嫌いだ」――と。
その言葉に押さえ込んでいた感情を溢れ出すように、
百香里は涙を流しながら孝雄に強く抱きつくのだった。
・エピローグ
百香里は遠く離れた四国にて教師を続けることになり、二人は互いの時を刻み出す・・・
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15歳と27歳の一回りも違う歳の差。しかも教師と生徒。
百香里は孝雄の気持ちを受け入れてはいけないと自分を戒めていたのだろうね。
相手は10代で夢に向かって突き進む。打って変わって自分は足を止めたままだった。
二人がその後どうなったかは明確には触れられないものの、
最後の百香里の行動から孝雄を受け入れたのかなと。
離れ離れになって互いに自分を見つめ直す時間を経て、
孝雄自身が大人になったと感じた時に迎えに行くんじゃないかな。






◆総括
新海誠の恋愛モノが好きな人なら!

雨の描写が多いため、水の表現を多々見られる作品。
池を走る風、雨どいから落ちる水が風に飛ばされる様・・・
思わず会話を見過ごすほどに見入ってしまう。
やはり新海誠作品は風景描写や生活描写がずば抜けているね。

孝雄と百香里のどちらかの気持ちへリンクできる人なら
ストーリーも充分に楽しめることでしょう。
自分は・・・うーん何とも。
若い頃に描いていた年上との恋愛への期待感は思い起こされた。
けれど百香里の気持ちは深くは理解できなかったなと。
それは自分が男だからであり、年下との付き合いへの躊躇さはあまりないからだと思える。
教師と生徒という立場的に壁を作らざるを得ないのはわかるものの、
百香里の辛さは100%理解はできなかった。

余談ながら本編は46分と短い。
同時上映の短編『だれかのまなざし』のほうが私的にはグっときた。
それは広く感動をそそることができる作品だからとも言える。
もちろん、断然本編のほうがクオリティは高い。
あとはどれだけ感情移入できるかというところ。
結論として、女性なら楽しめる作品でしょうね。




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