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『思い出のマーニー』見てきた! 感想&ネタバレなしレビュー [【アニメ】劇場版レビュー]

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「私とあなたの大事な秘密よ」

『アリエッティ』の米林宏昌監督が送る二作目。
二人の少女の仲睦まじい画が見られそうな雰囲気に
期待を膨らませながら見に行った!


◆感想

都会で暮らす杏奈(あんな)の日常劇から田舎暮らしに移ってからの序盤は、
映像美とノスタルジーさもあって引き寄せられていった。
ジブリらしさのある出だしは、やはり上手いと感じさせられる。
協調性のない大人しい杏奈だけど、キャラクター性はわりと惹かれるし、
マーニーは美人でもあり可愛くもあって興味をそそられる。
序盤好調といった印象だ。

二人が仲睦まじくはしゃぐ様子は楽しかったものの、
出会った時からやたら友好的なマーニーの態度にどこか違和感はあった。
そこへ杏奈の状態や画面演出を含めていくと、
「これはひょっとして杏奈の…?」なんて疑惑が浮上してくる。
今どきそんな仕掛けでどうするんだと不安になったものの、
疑惑はすぐに明かされたのでひとまず安心。
そこをラストまで引っ張っていたらさすがにずっこけていたところだ。

――謎めいた金髪少女。
もう謎のままで二人で楽しく百合百合してほしいなあと思えたものの、
謎解明へと動き出す中盤は、私的にはちょっと退屈だった。

もうひとひねり欲しかったものの、意外と想像のつく結末。
神秘さのあるマーニーが、最後に現実をつきつけられて
夢から覚めさせられたといった印象になったのは残念。
そこは見た人によって異なるだろうけれど、
思ったよりもありがちな仕掛けを用意してきたなと。
それでも見せる力があるのはジブリの画力だからだろうね。

きっちりと綺麗に終わったのですっきりはする。
世代によっては涙腺緩む面もあるので、終わりよければ...といったところか。




◆総評

映画でやる必要があったのかな?
そう思えるほどにジブリ作品としては見た目の緩急が乏しく、
迫力を感じさせる絵的な見せ場がなかったと思える。
『アリエッティ』では物語の平坦さは感じたものの、冒険劇として視覚的な楽しさがあった。
けれどこの作品は一少女の日常劇の枠を出ていない。

杏奈もマーニーもキャラクターとして可愛さは十分に感じられる。
いわゆる深夜帯アニメに見られる少女×少女の百合っぽさを期待するとはぐらかされるが...。
仲睦まじい一面はあれど、マーニーのフレンドリーさに違和感を感じていたので
私的には手放しで仲良しっぷりを楽しめなかった面も。
また、謎が明かされた後はマーニーに対してちょっと興醒めしたかもしれない。
それはそれ、これはこれとして萌えることも可能かもしれないけれど。

これまでいくつもの作品に触れて「もっと驚く仕掛けを!」と求める層には
この種明かしは肩透かしのレベルかもしれない。
ただ、子供には新鮮な仕掛けだったりもするので、
子供向け作品を作るというスタンスとしては及第点と思える。
特に「自分は何者か」とか「不思議な体験を味わいたい」と思う多感な世代なら
グッと惹かれる内容かもしれないね。

決して悪くはないけれど、個人的には一回見れば良いかなという作品でした。
評価(100点満点中)・・・35点




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タグ:ジブリ
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