素敵な物語でした。最後はグっときました。
まずオープニングで結界が張られたハイラル城に向かって
オオカミの姿で吠えるリンクがとても悲しげで良いです。
このゲームの雰囲気が伝わる一幕だと思います。
光と影という素材はゲームではよく使われるけれど、うまく調理された作品。
スタートの村では明るい雰囲気。それが影の存在によって暗い物語に突入。
明るい面を持ちながら、全体的にどこか悲しげなんです。
アクションゲームとして、シリーズの中では簡単な部類。
それでいてちょっと頭を悩まさせてくれるところも用意されていて、
なんとなく
”難問を自分で解いた”という感覚にさせてくれます。
このバランスが素晴らしく良かったですね。
ダンジョンのトラップも豊富で、
よくこれだけ思いつくなとプレイしながら関心していました。
ボス戦がまた楽しかったです。
これまでなら、”倒し方が分かっても難しい”というところがありましたが、
この作品は
”攻略”というよりも、”楽しんだ”という気持ちになります。
簡単とはいえ、考えさせれましたけどね。そこがまた良い。
ラストのガノン戦。
4連戦とは思いませんでしたが、どれも楽しい戦いでした。
最後の1対1の対決は望んでいた一戦です。
ゲームではまず通常の姿での戦いがあって、
徐々に異形の姿へと変貌していくのがボス戦では定石なところがありますが、
あえてラストに人型での戦闘を持ってきたのがにくいです。
ダンジョン全般、所々で焦らせてくれたり、こんなギミックも用意されているのかと驚いたり、
”遊んだ”という気持ちがとても強いです。
Wii作品ですが、
プラットフォームは何でも良かったと思います。
Wiiコントローラでの楽しみはあるものの、特別この特殊なコントローラを使わなくても
十分に楽しめる作品だと思いました。
GC版もあるため、そのあたりは上手く調節されたとは思いますが。
進行として、行き詰ることは無かったです。
どんどんイベントが発生していき、むしろどこで止めて良いのか分からないほど。
夢中になるわけではなく、止められないんです。なぜだろう?
物語も良かったです。
これまではゼルダに会うことが目標だったところもあったのですが、
いきなり出会えて虚を突かれました。
けれどその目標がミドナの元の姿のほうへ寄っていったため、
そうした部分での目標は見失わずに楽しめたところがあります。
序盤でゼルダを消したことで、「トワイライトプリンセス」はゼルダのことを指すと
思ってしまったため、
”黄昏の姫君”の正体には驚かせてもらいました。
最大の魅力はミドナ。
スタートからずっと秘密を持った存在ながら、なかなか真相が明かされなかったキャラ。
今回のヒロインはゼルダではなく、ミドナだったんじゃないかと思います。
終わってみれば、頼りなかったリンクを導いてくれた彼女の存在は、
とても大きかったと痛感させられます。
リンク1人ではきっと救えなかった光の世界は、
常に
光と共にある影なる存在がサポートしてくれていたからこそ取り戻せたのです。
この辺りに
今回のテーマが隠されていると思っています。
大人がやると”面白かった”で終わりますが、多感な年代の方がプレイすれば
きっと何かを感じ取ってくれる、そんな優しい物語だと思いました。