「クロノトリガー」や「クロノクロス」で曲を担当した光田康典氏、
そしてそのシナリオ(脚本)を担当したゲームクリエイターの加藤正人氏、
その二人のコラボレーションCD、「キリテ」。
5月18日に発売されたので購入しました。
曲を聴きながら物語を読む、サウンドノベル的要素を持つ作品。
物語の舞台はRPGを思い起こさせ、
あたかも頭の中でゲームを楽しむかのよう。
主人公のキリテ。そして謎の少女コトノハ。
脳内で形作られる主人公たちを、心地よい音楽が風景となって
2人を包み込んでいく感じ。
物語が書かれた冊子の中には、挿絵のように美しい写真が飾られています。
これがさらに、頭の中でぼんやりと浮かぶ情景を鮮明なものにしてくれます。
写真家の高橋真澄氏も加わり、聴いて見て読んで楽しめるCD。
ネタバレは控えめに、聴いた(読んだ)感想とか。実況な感じで。
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キリテ、コトノハ。
見知らぬ2人が、あたかも必然だったかのように出会い、進んでいく…。
進むという言葉が正しいのかわからない。
果たして旅の目的は何なのだろうか?
そんな疑問を抱く。
そんな気持ちの中、1人の人物が現れる。オロチ。
彼はなぜかコトノハを追いかける。
そしてそれを食い止めようとするキリテ。
いつのまにかキリテとオロチの戦いへと進展する。
音楽もそれに合わせてアップテンポに変わる。
徐々に3人のキャラクターが自分の脳内で形作られる。
音楽が大きな助けとなって補完してくれる感じだ。
ひとつの区切り。
ひとつの謎が解ける。
さびしい曲…
広がりのある曲…
キリテとオロチ、そしてコトノハ。
戦いは終焉を迎える…
だが、これは勝利と言えるものなのか。
とても複雑な気分になった。
そして迎えるラスト。
「これは…」
なにか少し切ない気分になっている自分がいました。
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こういう作品っていうのもアリかもしれない。
本当にゲームをするわけではなく、あくまでも小説を読む感じです。
小説としては短いですが、そこに自分の想像力をどれだけ注入して楽しむか、
という作品。
一度物語りを堪能したら、普通の音楽CDとして聴くのも良いでしょう。
「キリテ オフィシャルサイト」
http://www.procyon-studio.com/sleighbells/kirite/index.html
「製品情報/試聴」から少しだけ試聴できます。