初めての親子旅行。
まだどことなくギクシャクしている様子だな~。
朋也としては大して気にせず選んだオモチャを買い与えるものの、
汐(うしお)は気に入った様子。
朋也を気遣ってるのかと、このときは思った。
どことなくアバンタイトルでのロボを思い起こさせる顔したオモチャだね。
「ママのこと教えて」古河夫妻は教えてくれない。
だから聞いてはいけないことなのだろうと感じつつも、やっぱり知りたい。
この人ならきっと…
恐れながら聞いてはみたものの、朋也が語るはずもなく…
お花畑を無邪気にはしゃぎ回る汐が可愛らしいね!
そしてオモチャを無くす…と。
探し続ける汐をよそに、その場を離れる朋也。
思い出の地なのは仕方ないけれど、娘を放っておいていいのかと。
その後、朋也は祖母に出会い、父の過去を知ることになるけれど、
見ているこっちはずっと汐が気になってたよ!
嫌っていた父親と、実は同じような立場になっていた。
なんてのは何となく想像がついていた要素だったので、
その経験を今の自分にどう活かすかが朋也の課題だな。
さて、ここからだ。
夕暮れになっても、いまだオモチャを探し続けていた汐。
「あれ、1つだけだから…」「売店にたくさん売ってたろ」「選んでくれて買ってくれたものだから…初めて…パパが」
このタイミングでパパと言わせるかー!
だいたい小さな女の子を持ってくる時点でズルイわ!
朋也同様、こっちも何か突き刺さったじゃねーか…
「これからは……そばにいてもいいかな?」今まで放っておいたという罪の意識があるのだろう。
祖母から父の話を聞いたこともあり、
汐からのパパという呼びかけに、
自分はこの子の父親なんだと、やっと認識するようになったのだろうね。
「もう我慢しなくていい?」古河夫妻に預けられ、
ずっと彼女なりに色々なことを我慢してきたのだと思う。
大人は、泣いている子供に対して泣くなと言う。
それは泣くことが恥ずかしいとか卑怯だとか、そんな経験を積んできたから、
子供に対してもさらりと口に出してしまうのだと思う。
しかし子供は泣くものだ。
父親に会えた嬉しさ、ちょっぴり気恥ずかしさもあるけれど
本当は嬉しさを表現したかったのに、どこか抑えてしまっていた。
母親のことを知りたい、父親にも甘えてみたい。
子供として当然の気持ちだ。
それを汐はこれまで全部我慢してきた。
今、それが一気に吹き出してしまったのだろう。
父親の胸の中で泣き崩れる汐。
5年の歳月を経て、ようやく互いの気持ちが通じ合えた瞬間なのだろうね。
…ここちょっとヤバかった。
そんな見え見えの泣かせポイントに釣られてたまるかー!と耐えたよ。
危なかったぜ。
「なあ汐、ママの話聞きたいか?」この子の父親なんだと認識したことにより、気が緩んだのだろう。
汐が聞きたがっている母親の話、渚と出会ったあの日の話を語り始める。
「それから、ママは……」今まで自分の中では封じていたであろう、渚との思い出。
思い出すだけ惨めで辛くてどうしようもなくなる自分が嫌で、
この5年間、思い出すことを避けていたんだと思う。
「渚…!」思わず発する、愛しい人の名前。
好きで好きでたまらない人の名前。
娘に話してあげようという軽い気持ちで話し始めたものの、
一気に渚との思い出が駆け抜けてしまい、
抑えていた悲しみが津波のように押し寄せてきたのだろう。
まるで不意を突かれたように大粒の涙が朋也の頬をつたう。…いや、不意を突かれたのはこっちもだ。
朋也の男泣きに、こちらももらい泣きしてしまったよ。
これは予想外。
泣かせるポイントはすでに過ぎたと思いきや、
まさか二段構えでくるとはな!
父親として覚醒した朋也に、渚との思い出で泣かせるなよ~!
思わず涙腺が緩んでしまったじゃないか。
…ちきしょう、京アニの思惑通りだろう、これは。
絶対に泣くものかと構えていたのにさ。
そんなわけで今回は泣きの回でした。
なんだか俺も渚に会いたくなってきたよ。