「いばらの王」を見てきました。
PVを見て凄く惹かれたんですよね。
原因不明の人体石化という致死率100%の病。
治療できる時代が来るまでコールドスリープする人々。
しかし目覚めた世界は異形な生物がはびこっていた…
こいつはたまらない設定だ!
そして映画を見終わった人たちが口々に囁いたひと言。
よくわからない
これが全てかな。
ひとまず内容と自分なりの考察を入れて感想を書いてみます。
※注意:ネタバレありです!!
まだ観ていない方はご注意ください。
◆前振り
1日のサービスデー(1000円)ということもあって満員でした。
男性率は90%で、学生から大人まで原作&アニメファンが集った感じ。
ちなみに自分は原作未読です。
◆概要
ヒロインは女子高生のカスミというメガネっ娘。
彼女にはシズクという瓜二つの姉妹がいる。
コールドスリープを利用できるのは、公募と抽選で選ばれた160名。
全員が眠りにつき、目覚めると…
◆前半の引き込みは凄くイイ!
カスミが目覚めるとともに、他のコールドスリープ機器がすべて開放。
その大きな円形の空間には、イバラのツタが張り巡らされていた。
一体今は何年で、何が起こったのか?
そこへやってくる飛行する怪物。
人々を襲い、肉を食らう。
血が飛び交う中で混乱しながら逃げ惑う人たち。
もう阿鼻叫喚ですよ。こんな状況で自分、生き残れる自信ないわ…
そして残ったのはカスミを含めて7人。(少なっ!
160名もいたのに、あっという間の選別だ…
その後も音を感知する大きな犬のような怪物から逃げ惑い、
どうにか銃器を手に入れるものの、数撃程度じゃビクともしない。
よって基本は逃げるだけ。
この極限の状況下で怪物から逃げながらの脱出劇はとにかく興奮の連続!
眠っている間に何が起きたの? どのくらいの月日が経ったの?と、
期待が膨らむばかりです。
ちなみにカスミのCVは花澤香菜さん。
可愛いボイスがこの状況を幾ばくか和らげてくれる気がしました。
◆中盤から少しずつタネ明かしが始まるが…
どうやら眠ってから48時間しか経っていない模様。
え、遠い未来じゃなかったの?と、ここで少し残念な気分になった。
ただこの時点では確定ではないので実際のところどうなのか。
もしかしてあまりも時間が経ちすぎて時計が狂っているとかね。
そんな期待を込めていたものの、本当に数日しか経っていなくてガッカリ。
生き残った者たちで身を隠していた。
そこへ現われたのが、この施設を取り仕切っていたヴェガという人物。
彼によってコールドスリープを司るAliceという監視システムが生まれた経緯が明らかに。
ここが少し分かりづらかったんです。
言わんとしていることは分かったのだけれど…
<ここまでで把握した内容>
石化という奇病、メデューサ。
そのウィルスは地球外よりもたらされた。
それによって1人の感染者が「想像を具現化する能力」を持ったらしい。
その娘の名がAlice。
想像から新たな生物を生み出すことができ、
たとえば人類にも新たな進化を加速度的に促すことも可能。
ヴェガはその娘と同じ能力を持つ者を生み出すため、
メデューサウィルスを自らばらまき、
コールドスリープへと促す流れを作ったようだ。
…というのが、この時点でなんとか把握した部分。
正直、合っているかはわかりません。
謎の解明の1ステップ目なのに、すでに難しい雰囲気があり、
ここで置いていかれるとその後は理解不能になりそうだなと。
視聴者にはもっと段階を経て優しく伝えていくべきだなと思えました。
(時間的な制約もあったのでしょうけれど)
◆終盤、理解を超えた謎
なんとなく決着が付いたようで、よく分からない状態に。
コールドスリープで眠りに付く前の状態に戻る演出が幾度とあり、
「これも夢か…」というセリフが視聴者の解読を鈍らせるんです。
見る人によっては、どこからが現実でどこからが幻だったのかわからないと思う。
<結末の考察>
コールドスリープの説明を聞き終え、もうすぐ離ればなれになるところで
カスミとシズクの2人が崖の近くで別れを惜しむ。
コールドスリープに入ることができるのはカスミだけ。
しかしカスミはシズクこそ入るべきだと思っていた。
これによって話し合いが言い争いへと発展し、崖からカスミが転落→死亡。
メデューサに冒されていたシズクは、その絶望からAliceと同じ具現化能力を発揮。
この施設を作ったヴェガは、
そもそもメデューサからもたらされる具現化能力者を見つけようとしていたので、
思わぬところで適合者を見つけたというところか。
コールドスリープはそのまま開始。
時を同じく、施設に送り込まれたシズクはヴェガの手により実験体として調査。
その実験中に、コールドスリープを良しと思わない者たちによって電源を落され、
一瞬の停電によってAliceの制御下から離れてしまったシズクは制御の効かない状態に。
この時点で施設そのものがシズクに占領されてしまった感じだろうか。
「カスミを助けたい」という強い想いからカスミの偽物を作り出したシズク。
本来入るべきだったコールドスリープの機械へと放り込む。
偽物にはカスミの意識も埋め込まれており、自らをカスミと思って目を覚ます。
すなわち機械へ入る前は本物のカスミ、施設内で逃げ惑っていたカスミは創り物。
カスミは自分が創り出されたものとは気付いていない。
シズクが施設内にいることを知り、カスミはLevel0の部屋まで辿り着く。
目の前に横たわるシズクを見つけて近寄るものの、その手にはリストカットの痕が。
これはカスミにしかない傷痕。
自分にはなく、横たわる者の手首にある傷痕ですべてを悟る。
目の前にいるのは本物の自分の亡骸だと。
シズクはすでに施設と一体化しており、イバラを模した怪物と化していた。
怪物は石化し、自ら滅ぶ。
カスミはなんとか脱出することができた…
以上、あくまでも私的な考察です。間違いもあると思います。
なぜイバラの怪物が石化したのかがいまひとつわかりません。
シズクはメデューサへの抗体を持っていなかったのだろうか?
またカスミは脱出できたとはいえ、メデューサに冒されたままなはず。
そもそも創られた者だから感染すらしていない状態なのかな?
Wikiにも書いてないし、明確なラストの意味を教えて欲しい…
◆総括
脱出劇としては面白かったです。
とにかくスピーディで時の経つのも忘れるぐらい引きこまれる。そこは凄い。
ただ後半が説明不足。
または濁しているだけなのか、それとも展開が早すぎなのか…
明確に「こうだからこうなった」という説明がなされないためにモヤモヤ感が大きく残ります。
いや、詳しく説明されているのかもしれない。けれど分かりづらいんです。
その点が多くの原作未読者にとって、意味不明と取られるんじゃないかな。
結論
面白いけれどラストが分かりづらい。
これから少しずつレビューが出てくると思うので、
そこから答えを見つけていきたいものです。
原作を読めばわかるのかな~?