◆前振り(劇場にて)
都内からちょっと外した場所柄もあるけれど、
家族、カップルも多く、館内に設けられたけいおんグッズに
小学生女子が群がっているのを見て、この作品の年代幅の広さを痛感。
今さらながら社会現象と言われるほどの知名度に納得しましたよ。
◆本編レビュー
開始から小ネタの応酬でクスクス笑いが止まらない。
緩やかに始まって徐々にギアを上げて行くと思いきや、
「けいおん」好きにはたまらない空気感がそこにあり、初めからずーっと笑わせてくれる。
なんだか久しぶりの「けいおん」なのに暖かく迎えられた気分だよ。
卒業旅行を計画し、ロンドンへ行くことになったHTTメンバー。
特に気に入っているのは空港からロンドンに降り立つまでの間。
他の作品なら飛行機が飛ぶシーン→はい着きました、だよね。
けれど「けいおん」はそこでのやりとりもじっくり時間をかけて見せてくる。
乗ったことがある人ならわかるわかると思わず頷く、搭乗へのあの高揚感。
機内の何気ないシーンも彼女たちだからネタになる。
これは他の作品ではマネできない「けいおん!」の良さだと思う。
それでいて1つ1つが面白いから困る。
小さな動きでも笑いを誘ってくる。
例えばロンドンでタクシーに乗ったときの唯の手の動きに思わずクスっとw
気付くかどうかの部分で、特にツッコミが入るわけではない動きなんだよね。
でもわかると笑いに繋がる。そんな瞬間がチラホラ。ほんと芸が細かいw
予測できない展開も良い。
てっきりロンドンで観光しながら時折ネタが挟まれる程度かと思いきや、
ちゃんと突発的なことが用意されており、
彼女たちの魅力も存分に発揮される展開になっている。
この5人はどこへ行っても普段通りの明るく楽しいマイペース。
それがどれだけ見る者を楽しませてくれることか。
前半から中盤は、何気にめまぐるしく変化する内容。
ストーリーはしっかり緩急があって、ワクワクもあり、ほっこりもさせてくれる。
とにかくファンなら幸せになれるひとときだと思う。
前半は卒業旅行、後半は別の目的が主体となる。
終盤に向かうにつれて、これは泣き展開に持っていくだろうなと。
そこは推測できていて心の準備はしていたつもり。
けれどまさかの涙目。
これはずるい。もう、じわじわ来るもの!
2期の終盤で泣いた人はハンカチ持っていったほうがいいですね。
◆総括
もう一度見たいと思わせる出来映え。
時間があればほんと2、3度観返したいよ。
内容はそれなりに及第点ぐらいだろうなと高をくくってました。
やられた、ここまで面白い仕上がりだとは!
ちゃんと映画のレベルに達しているんだよね。TV版を見ていて、彼女たちのキャラを知っていてこその面白さ。
キャラの良さが十分に発揮されており、中盤までずっと笑いどころ。
終盤はじんわり来るものの、おもしろテンポは損なわない。
とにかく全部が楽しめる。
内容が思いのほかずっしり詰まっていたのは好印象。BDが出たら買うかどうかで判断すると、
絶対買う。
今度は家でじっくりと、笑いをこらえず楽しみたい。
彼女たちの振るまいの面白さは直に見なければ伝わらないと思う。
もうこの空気感は観てもらうしかないよ。みなさんもぜひ!