最近やけにCMを見かける「まんがの達人」。
あのCMを見ていると、誰でもすぐにマンガが描けそうな印象で、ちょっと微笑ましい。
あんなすぐに上達しないだろw と、ツッコミを入れたくなるものの、
まぁそうした部分を突く商品なわけで、
もしかしたらこれがキッカケで上達する人もいるかもしれない。
そんなある日、近所の本屋で平積みされているのを見かけた。
小さな子供と一緒にいた30代半ばのお父さんが買っているのを見て、
「ああ、お父さんが今から始めるのかな…」と暖かい目で見守ってみたり。
自分は趣味で絵を書く。
正直、ゴマンといるほどのレベルですが…。
学生時代から色々な絵描きさんの模倣をしながら独自に現状の絵柄になった。
そんな絵を描く者からすると、この商品は買おうとは思わないものの、
どんなものか少しは気になるところ。
んで、会社に行ったら買っている人がいた!w
というわけで、見せていただきました。
その内容と感想を書こうと思います。
■「まんがの達人」の内容
本編2ページ目で、商品付属の「つけペン」の使い方。
丸ペンをフォルダーに付ける方法とか、ペン先をインクにつける方法とか…
丁寧すぎるほどの解説。(いるのか、これ? いるのか!?
さて気になる実践内容は、”セーラー服の女の子”を描いてみようというもの。
やはりまず女の子ですか!w
セーラー服というのは無難なところなのか、
それともターゲットがどこかに絞られているのか…。
鉛筆を使い、丸と線で全体のバランスを描くところから始まり、
そこに肉付けしていくというお話。ここまでStep3。
Step5で、唐突に顔を描くことに!
そこ、いきなり無理だから!w
次のStep7で”セーラー服を描く”となっているけれど、
絵を描かないその人が実践したら、ここで詰まってしまったとのこと。
「服のしわとかそう易々と描けないし、そもそもここまで描けないよ」
…だそうです。
Step7のあとは、すでに下絵が完成です! …おぉ~いw
その後はペンの入れ方、ベタの塗り方、トーンの貼り方などなど…
消しゴムのかけかたもご丁寧に載っているぜ!
■読んだ感想
ちょっと真面目に述べると、
これを出版した側に立って考えれば、1号目ということもあって、
まずは全体的な流れを教えていきたいのだろうな、という印象。
あくまでも実践した方の意見だけれど、
描き慣れない人にとってはセーラー服を描く段階で詰まるため、
最初から完成図を見ながらすべてを模写したほうがいいかも、とのこと。
気に入った作家さんなりの完成した絵を模写しながら練習するのと
何ら変わらないな、と思ってしまうところです。
ただ、”描いてみたかったけれど一度も描いたことが無い”という人にとって、
ここまでご丁寧な説明は、逆にいいのだろうか?
そのあたりの感覚はよくわからない。
顔の描き方は別号で詳細があるかもしれないし、
これから少しずつ詳細箇所の描き方になるのかな~という感じです。
自分から言わせてもらえば、いきなり正面は難しいと思う。
たぶん絵を描き始めるとき、最初は(右利きなら)左向きの顔から描くもの。
(※絵の中の人物からすれば右向き)
いきなりシンメトリーな顔は難しいからという理由と、正面だと立体感が出しにくいから。
自分がなぜ左向きから入ったのかは忘れましたが、
きっと多いと思います、”左向きは描けるけど右向きは難しい”という方。
それだけ斜め顔から入る人が多いということです。
それともうひとつ。
今の時代ならベタやトーンはデジタル加工でいいんじゃないかな。
描いた絵をスキャナで読み込んで加工したほうが断然早いし、
印刷所へのデジタル入稿も可能だし。
ただ、この商品のコンセプトがアナログだというのであればペンもアリ。
それにデジタルの話になれば、パソコンの操作自体の説明もしなければいけないので、
出版サイドとしては色々と面倒なのでしょう。
それでアナログ一択に絞ったんだろうなと思ってみたり。
■マンガなのか絵なのか
1号目では主にキャラクターの描き方でした。
でもこの商品は「まんがの達人」なので、
最終的にはマンガが描けるように指南していくのでしょうね。
その片鱗として、「ストーリー発想の原点」という読み物があり、
「人々の喜怒哀楽を観察しよう」とか「夢日記をつけよう」などがあって、
なんとなくマンガを描くための素材集め方法に触れていました。
個人的には、夢日記はアリアリw
でもいきなりやるのは無理だと思う。
それに絵を描くこととストーリー創作はまた別。
マンガはそれを1つにして作り上げるので、
それを満遍なく解説していくのかと思うと、一体どこまで触れるのだろうと思う。
これ、何号まで出るんでしょう?
■ターゲットはどこの層?
マンガや絵を描きたいと思う年頃を想定すると、中学生ぐらいがターゲットかな?
値段からしてもそんな感じ。
または”ちょいオタ”に芽生えたお父さんな年代が、
俺もすぐに描けるようになってやるぜ、
なんて甘い夢を見て始めたりするのだろうか。
柔軟な思考力を持つ学生年代なら、これを機会に独自に歩むことでしょう。
でも30代ぐらいから始めるには、よほど予備知識を持っていないと厳しいと思います。
アニメやマンガをそれなりに見ているとか、昔ちょっとかじったというなら別ですが。
ボールペン字を習うのとは違うからw
と、後ろ向きな意見ばかりもよろしくないので、前向きな意見も。
もしかしたら絵心が芽生えるかもしれないし、
大人だからって、何も無理して身体を動かす趣味を持つこともない。
絵を描く趣味ならば、紙と筆記用具があればいいですからね。安上がりです。
しかも創作は脳を刺激するし、お子さんと一緒に楽しめるというメリットもある。
個人的には絵を描くのが好きな方が増えるのは喜ばしいことです。
■付属品とか
ちなみに、付属されているアイテムは、
ペン先2つ、ペンのフォルダー、インク、消しゴム、エンピツ(4B)。
えーと、トーンが入ってませんが?w
まぁ、これらを390円で揃えられるなら割安感はあるのかな。
1号目は390円だけれど、2号目は890円。
おそらく以降も同じ値段だろうと思う。
そして9号まで定期購読を契約すれば、「デッサン人形」と「羽ぼうき」がもらえる。
このあたりは正直どうかなと思うw
■最後にネタを1つ
会社の人が実践した絵は、”セーラー服の女の子”ではなく、
”セーラー服を着た、何か”だった…。
「ならお前も描いてみろよ~」
「いいけど、正面じゃなくてもいい? ポーズ付けて、スカートひらっと」
「見本は正面なんだから正面を……ん、スカートひら?」
「ニヤリ」
「それでお願いしますw」
「オケwww」
「見本から脳内変換したw (*´Д`*)」
「違い過ぎw (*´Д`*)」