主人公は中学生の男の子、植木耕助。
いわゆる熱血というわけではないけれど、正義感は強い感じ。
でもかなりマイペース。
「ゴミを木に変える力」という能力を与えられたことが事の発端。
おそらく世間のエコな流れから生まれた企画なんだろうなと思いつつ、
それをどうやって展開させていくのかが見ものでした。
まず、植木の
「自分を犠牲にしてまで他人を助ける」という性格が、
初めはちょっと受け入れられませんでした。
悪いとは言わないんですけどね。自己犠牲ってあまり好きじゃないんです。
”偽善はなはだしい”というイメージ。
本当はそういう人がたくさんいるような世界が良いとは思いますが、
実際にそんな人、見たことないし。
正義感の強い主人公の性格として、マンガではよく使われる手法です。
少年マンガとしてはわかりやすく、かつ教育的に”良い人”を表すには
格好の設定かと。
最初の1、2話はそんな印象でした。
植木の声優が「朴ろ美」さん。
「ハガレン」のエド役ですね。
ここで惹かれつつ、しばらく見続けた感じです。
能力を持つ者は植木だけではなく、色々な能力者が出てきます。
植木の能力もそうですが、これまで既存のマンガでは
見たことがないタイプの能力が多かった点にも惹かれました。
「それは一体どう使うの?」という戦闘向きではない変な能力も
いくつかあったり。
そういう部分が「どうなるんだろう?」という気持ちにさせてくれました。
そしてこの作品の面白いところは、能力者以外の人間にその能力を
使うと(たとえば攻撃すると)、自分の才(ざい)が1つ消えてしまうという点。
才(ざい)とは才能のこと。どんな才能でもいいんです。
たとえば「異性にモテる才」を持っていたとすれば、
それが消えてしまうことで異性から相手にされなくなる状況になります。
植木はそうしたルールをわかっていながらも、自分の能力を使って
人を助けたりします。そこが自己犠牲。
すべての才を失えば自分は消滅する。
ただし能力者を倒せば相手の才を手に入れられる。
このあたりの
ルールがあるからこそ面白くできた作品なんだと思います。
なんでもアリだったら、どんどん強いやつと戦うだけですからね。
そうしたありがちな格闘マンガにならず、
作品ならではの”縛り”を設けることで、面白さを増しているのだと思います。
とはいえ、それでも主人公は強くてナンボなので、
途中から
「実は天界人だった」「神器が使える」といった具合に、
特殊な力を開放するようになります。
まぁ、「修行」という場面を設けてコツコツとキャラクターを
成長させるのもいいですが、こうやって
「潜在能力の発動」という
方法を使えば展開が速くなるというメリットもありますので、良いかと。
(ただしこの作品のように、それなりにちゃんと理由があればの話)
アニメは4クール(1年)ぐらいやったかな?
2クールで1部完、3クール目から2部突入。
メリハリがあって、ちょうど良い長さでした。
闘いが主なマンガはこのぐらいのテンポの良さがほしいところです。
ダラダラ続けても同じ展開なら飽きてしまいますし。
ラスボスを倒してキチっと終わる。これで良いです。
原作の方では
「うえきの法則プラス(※第一話がWEBで読めます)」と
続いているようですが、「うえきの法則」としての物語は
スッキリと終了しているので、後味良しでした。
余談ですが、
ビーズを爆弾に変える能力を持つ、鈴子(りんこ)。
すっごく微妙な能力だな~と思いつつ、一応、植木チームの中では
頭脳派の位置にいるようなので、
それなりにその能力でがんばりを見せています。
逆にこうした微妙な能力を駆使して闘うのが、
この作品の面白いところなんじゃないかと思ってみたり。
ちなみに声優は、能登さん。
初めは「闘うキャラには能登さんは合わないだろ!」って
思いましたが、このキャラは別ですね。
最終話での一幕。
「ちょこざいですわ」どんな言葉だろうと、そこはお嬢様言葉でステキ台詞になります。
これぞ能登マジック! だから良し!(・∀・)ゞ