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ありがとう! 「Solty Rei (ソルティ レイ)」 [【終了】最終回感想まとめ]


初めはなんとなく見続けていた、「Solty Rei(ソルティレイ)」。
ここ最近のGONZOアニメとしては、なかなか面白いと感じていました。




主人公のソルティと、賞金稼ぎのロイ。


ロイの声優さんがギロロと同じという点もポイントが高く、
戦う男なんだけれど、どこか憎めず、
恥ずかしがり屋というところに惹かれて、それなりに楽しんで見ていました。

ソルティは機械でできた怪力少女。


まぁ、オーソドックスな内容だろうと思いつつも、
後半から話が盛り上がってきて最後まで見続けたわけですが……


最終回。

ヤバイ、かなりヤバイ。


もう、語らずにはいられないぐらいヤバイです。
この気持ちをぶつけさせていただきます!


今回はコメント多いです。長文です。




12年前に起こった「ブラストホール」という現象。



これによって、犠牲者が多数出てしまったというのが事の発端。


ロイはそれによって行方不明となった娘を捜すために、
警察を辞めて賞金稼ぎとなったわけです。






そこに突如と現れた記憶を亡くした少女、ソルティ。



無難にソルティが娘だと思ってみましたが、違いました。
じゃあソルティって何者なの!?


機械でできた少女。
ロイの賞金稼ぎを手伝う戦闘タイプだけれども、
心優しい、無垢で純粋な女の子。

「あの……えっと……」
困ったときの仕草がとても印象的なキャラクターです。





ハードボイルドという言葉が似合いそうなロイにとっては、
そんな少女は、突然現れた邪魔な存在でしかなかったわけです。

「なんで俺のところに居座るんだ?」
「ついてくるな!」


初めはそんな雰囲気でした。
それでも少しずつ打ち解けていく2人。


周りには仲間もでき、ロイのために料理を作ったり、
時には正直に意見を交わしたり。
いい関係です。


ロイも徐々にソルティを心配するようになってくるのですが、
でも本人には素直に言えない。恥ずかしい。

そんなところが見ていて楽しかったです。






200年前、この星に移民してきた人類。

R.U.Cという組織が市民たちを支えるため、
生活に必須のインフラ(水、ガス、電気など)を管理、供給している世界。
しかし、地下都市に住む未登録市民と、地上に住む正規市民との抗争という
不安定な要素もある世界。






いよいよアニメも3話連続での最終放映となり、
明らかになってくる真相。

最終的には、ロイやソルティなどの面々と、R.U.Cとの闘いとなります。
細かい部分は端折ります。
見ていない方は24話ありますが、ぜひその目で見ていただきたいです。

以下、最終3話分の場面ごとに感想などを。






R.U.Cに対抗すべく、元R.U.Cのアクセラがやや暴走。
CVは能登さん。



「あははははーー!」という高笑い。
壊れた能登さんの声を初めて聞きました。





元盗賊のローズと、ソルティとの戦い。



ローズはローズなりの理想のためにR.U.Cに寝返ったけれど、
その理想はすでに叶っていますよ、というソルティからの
優しい言葉に崩れ落ちる。


「ローズさん、お帰りなさい」



そっと抱きしめるソルティ。

この「お帰りなさい」という言葉。
ラストを見たあとに見ると、これまた感慨深いです。





移民計画の要、街の最高意思決定コンピュータ「エウノミア」。



R.U.Cという組織が水などを供給しているのではなく、
このエウノミアがそれを成していたという。

エウノミアによって、リゼンブル化(機械化)したアシュレイ
こいつが一応の親玉みたいなもの。







ロイとアシュレイの決戦の場に現れたローズとソルティ。



「久しぶりなのにご挨拶ね、パパ」
「お手伝いに来ましたよ、パパ」

「お前ら……パパは、よせ」


ちょっと冗談交じりに言うローズ。
そのローズの冗談に乗るソルティ。
本気で恥ずかしがるロイ。

こういうシーンはくすぐられます。




このあと、アシュレイを倒し、世界に平和が戻ってくるわけです。










一般市民での一幕も見られ、
これまで八百屋のところへ盗みにやってきていた未登録市民の少女に対し、
怒りをあらわにしていた主人も、
「困ったときはお互い様だろ」
と、果物を差し出します。




R.U.Cが崩れたために、
未登録市民と正規市民の垣根が取り払われた一幕。

平和というのは、人の心を優しくするんだなと。







一時的に平和となった世界だけれども、
移民計画で使われた3つの移民管理コンピュータの1つ「エイレネ」が、
200年の間、宇宙(そら)からこの街を観察していたけれど、
ここへきて人の歴史を作り変えようとして、
この街に落下してくることにソルティが気付きます。



3つの内、
1つはR.U.C地下にあるエウノミア
1つは宇宙から管理していたエイレネ
そして……
あとの1つはソルティ




ここでようやくソルティの謎が解けます。

「宇宙(そら)に上がってエイレネを止める」

そう決意するソルティ。
彼女にしかできない使命。
そこにいる全員が絶句。





アシュレイの計画に反対して、身を隠していたジョセフ



今ではロイやみんなの仲間。
彼は移民計画の全貌を知っている1人でした。



「上にいたとき、ディケだったころのキミが正直苦手だった。
機械的で冷たい印象があった。恐怖すら感じたことがあったよ」





ソルティに向けて投げかけられる言葉。

「だが、今はいい笑顔をする。ロイのおかげか?」




恥ずかしがるソルティが可愛かったです。






生きて戻れるかわからないエイレネとの決戦。
みんなわかっているけど、でもそこは理屈じゃなく、
やっぱり行って欲しくない。

「ソルティが行かなければみんな死んじゃう。
わかっているけど、ソルティに行って欲しくないんだよー!」




子供のカーシャは素直に感情を表します。





この1年間、ずっと一緒にいたロイ。
ソルティの側にいることができず、1人、屋上でヤケ酒。



賞金稼ぎのロイに仕事を提供するミランダ。
カーシャの母親として、そしてロイの良き友人として、そっと寄り添います。

みんなの前では毅然とした態度でしたが、
そこで初めて本音をぶちまけるロイ。


「あいつは俺にとって、ただうっとおしいだけの存在だった。
いきなり現れて生活を乱された」

「だがいつのまにか、あいつは俺の家族になっていた」


これまでずっと堪えていた感情が一気に吐き出されます。


「あいつ1人に全部背負わさなければならねぇ」
「俺はあいつを、帰って来れない場所に送り出すことを認めることになる」



そして、これまで我慢していたものが一気に流れ出ます。
初めて見せる涙。



「どうして俺を残して……」

わかっている、けれどわかりたくない。
なんであいつが、なんでソルティが、なんで俺の家族が……


できることなら自分が……、そう思っているのでしょう。
かわいい家族のために自分が犠牲になるなら良し。
でもそれがなぜアイツなのだと。

そう思える時点で、
もうロイの中ではソルティはちゃんとした家族なんです。

この男泣きに、自分も少しグっときました。








ソルティを宇宙に打ち上げる日。

エイレネの存在、落ちてくれば人類滅亡。
それを阻止する計画。
それらを市民が見届けます。

例の八百屋の主人と少女も。



「もし生き残れたらそのときは……」






ソルティ打ち上げ時、みんなで見送りの際、ローズがソルティに投げかけます。

「今度は私のやり方で理想を叶えるわ。
だから私たちの未来を守ってきて」




「私の理想にはあんたも入っているんだからね!
ちゃんと帰ってくるのよ!」


この言葉にやや目頭が熱くなる自分がいました。





そんな場面でやってくるロイ。

ソルティに行ってほしくない、その感情をぶつけます。
行くな、行かなくていい。



「そうだ、ドライブに行こう! それとも遊園地がいいか?
まだ行ったことがなかったろ」


それが無理だとわかっていても、留める言葉を必死に考えるロイ。
どうすることもできないことを分かっていながら。

「それはできません。ロイさんたちを守りたいんです」

「なんでお前なんだ」


「私はロイさんたちを守れるのが嬉しいんです」


「行かなくていい! 娘なら親の言うことを聞け!」


「!!」




初めて自分を娘だと言ってくれた。

自分は娘でありたかった。
できることなら、この人のそばにずっといたい。
きっとそんな想いが溢れていたと思います。


「嬉しいです。私、機械なのに……娘だって……嬉しい」



ロイも、そしてみんなにとっても、
ソルティが誰であろうと、機械であろうと、この1年間過ごした日々は本物。

心通う者であれば、危険な目に合わせたくない。
みんな分かっています。

だけど自分しかこの危機を止めることができない。



1年前、エウノミアの暴走を知り、地上に降りてきた少女。
そのとき記憶を亡くし、ロイと出会い、人の心を知った少女。
その恩返しなのでしょうか。

「ロイさん、大好きです。だから……行ってきます」









ソルティを乗せたロケットが打ち上げられ、エイレネとの決戦。




「あなたは人にはなれない」
「わかっています、でも……」

爆音とともにエイレネ撃沈。
夜空にはエイレネの破片が流星のごとく降り注ぎます。



ソルティは……











こういう「それから○年後」という展開、自分は弱いです。
果たしてソルティは帰ってきたのでしょうか……。


平和が続いていることが伺える街。

あのときの八百屋の主人と、未登録市民だった少女が
親子関係になっていました。
「もう、お父さんったら」




垣根のない世界。
人々に安らぎを与えてくれる世界となっていました。





少し大人になったローズ。
成長したカーシャ。

それぞれが平和になった世界で幸せに暮らしていることが伺えます。





でも、それは1人の少女のおかげ。
ロイも、そしてみんなも、それを忘れることはできません。

「ソルティは帰ってくる」



ロイの言葉で締めくくられ、幕が閉じます。








そしてスタッフロール。




なるほど、こういう終わり方もアリかもしれない。

どうなったかはわからない。
もしかしたら、エイレネと一緒に砕け散ったのかもしれない。
粉々になったのかもしれない。

だからこそ語らない。
それを見せてしまったら悲しすぎますからね。


画面には「SOLTY」という文字のトビラ



”ソルティのために部屋を用意して待っているからね”

きっとそんな想いがこめられているのだと思います。














……え!?

スタッフロールのあと、続きがありました。
ヤバイです、こういう展開。

ただでさえ「○年後」とかいう展開に弱いのに。




宇宙服を着た、ロイとユート。

「これだけデブリが多くちゃ、そう簡単に見つからないですよ」

ユートの言葉に、まだ酸素はあると、ロイが辺りを見回します。

この散らばる破片(デブリ)はエイレネのものでしょう。
そう、探しに来たのです。

何年経ったのかはわかりません。
でも、ロイはもう待っていられなかったのだと思います。


たとえどんな姿でもいい。
それこそ破片でもいい。

何かその思いが残るものを形として見届けておきたい。
納得できない。

これは、大きなものを失った者が抱く、純粋な感情です。



けれどエイレネの破片が多く、探し物は見つかりません。
むしろその探し物は無くなっている可能性が高いです。

「なんだこの音……?」
「!!」





歌が聞こえてきます。

「この歌は……」


大きく輝く1つの光。
それは、探し物が見つかった瞬間でした。




ソレがどういう状態なのかはここでは挙げませんが、
すでに自分の中では込み上げてくるものがありました。

「バカやろう……お前があんまり遅いから、
迎えに来ちまったぜ」


このセリフで……泣きました。




アニメで泣いたのは何年ぶりだろうか。

こういう展開、他の作品でもあるといえばあったかもしれません。
でも、ここまで見続けてきて、押し寄せる感動は見た人にしかわかりません。



機械でできた強い少女。
でも無垢で純粋で優しい女の子。

自分の姉妹ともいえる暴走した機械を止めるために、
その身を挺して人類を守った少女。


ソレは再びロイの腕の中に抱かれました……







良かったです。
これだからアニメはあなどれません。
そのシーンを何度も見返しては感動に打ちひしがれました。


最後の1カット、背景、BGM、
すべての構図が素晴らしかったです。






初めは何気なしに見た作品。
途中、中だるみがありつつも、それなりに面白くて見続けた作品。

普段アニメを見ない方には全話を見続けるのは少々辛いかもしれません。

でも、この最後のシーンのため、
ラストカットを見るだけのために、
24話を見続ける価値はあります。






3月末で終了したアニメの、自分の中のランキングで、
「ソルティレイ」という作品は一気に上位へと食い込みました。

恥ずかしいけれど、マジ泣きです。



素敵な感動をありがとう、ロイ、

そしてありがとう、ソルティ!



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コメント 6

hoso

こんばんわ~
熱いレビュー楽しんで読ませて頂きました。niceです。

私もこのアニメ評価高いです。
中盤迄は多少だるかったですが、ロイとローズの関係が判明するあたりから
グッと面白くなってきました。
後半の盛り上がり方はもう毎回引き込まれました。

>スタッフロールのあと、続きがありました。
あれで終わりだと思ってただけにやられましたね(笑)
私も泣きました。(^^;

このアニメを、田村ゆかり&能登キャラが出てるから見始めた自分が
ちょっと恥ずかしくなりました(笑)
by hoso (2006-04-02 03:04) 

カルディア

hosoさん>
こんばんわ~(・∀・) niceありがとうございます!

hosoさんもグっときてしまったようですね!
いや、あれは泣くでしょ! 相当やられました、自分。
しばらく引きずってしまいましたよ。感激感涙。

途中まで見る限りでは、こんな展開は予測できなかったけれど、
最後の最後で、やってくれたな~という感じです。
by カルディア (2006-04-02 21:53) 

宗介

いや~今自分は資金節約のためGYAOでちまちま見てますが、
そんな展開になってしまうとは・・・
てか この記事見ただけで涙が・・・キャー!早く続き見てぇえ!!
by 宗介 (2006-04-04 19:52) 

カルディア

宗介さん>
こんばんわ~。
できればこの記事のことは忘れて、最後まで見てくださいね(笑
中だるみに負けず、ラストまでぜひ!
ロイのあのキャラがあってこそ、最後が際立つ作品でした。
by カルディア (2006-04-05 00:17) 

不時着した人

もう結構たつけど、最近になってソルティレイを見たんです。
こんなに涙を出したことはなかったです。

なかなかロイは本音を出そうとしなかった。
でも最後の最後になって感情をむき出して
必死にソルティを引きとめようとするさまに
頭の中がぐしゃぐしゃになって号泣しました。
最後は本当によかった。
これからは地上に戻って本当に幸せにくらすはずです、きっと。

たまたま流れ着いたのですが、
ここの記事を参考にさせてもらってソルティレイを見返してみようと思います。
by 不時着した人 (2007-05-20 00:23) 

カルディア

不時着した人さん>
こんばんは。流れ着いてのコメントありがたいです!
あらためて記事を読みながら久々にソルティを思い返してしまい、未だに泣けそうだと感じました。
ラストでロイがたまらず宇宙に行ってしまったというのが良かったです。そこで出会えたソルティが……。ホント、泣けますね。

その後は幸せに暮らしてくれていると思います。元気になったソルティが頑張って作る料理。それをロイが恥ずかしながらも美味いと微笑む。そんな日常が戻ってきているんだと思いたいですね。
by カルディア (2007-05-21 02:02) 

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