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ジブリ新作 「コクリコ坂から」 見てきた! 試写会感想 ネタバレなしレビュー [【アニメ】劇場版レビュー]

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吾朗、勝負作のデキはいかに!?

ジブリ最低の評価になったであろう宮崎吾朗の監督作品『ゲド戦記』。
懲りもせずに2作目となる『コクリコ坂から』を公開。
未だにほとんど情報が出ないこの作品、いったいどんな物語になるのか。
これがコケたら3度目はないぜ?

7/16の一般公開を前に、試写会に当選したので見てきました。
公開前なのでネタバレなしで感想を書いています。ご安心ください。








◆感想(ネタバレなし)

時代は1963年(昭和38年)。
まだまだ貧しさの残る雰囲気の中、数人の女性で共同生活をしている下宿で
炊事洗濯などをこなしながら高校に通う女の子、海(うみ)。
校内で突然出会う1つ上の少年、俊(しゅん)。

この2人を中心とした話だけれど、
文化部の部室がひしめき合った古い建物「カルチェラタン」が大きく物語に関わってくる。
これがまたすんごく汚い建物。
主観ながらそこはまるで「油屋(千と千尋)」を彷彿とさせる雰囲気があり、
ジブリお得意のゴチャゴチャした空間に興味をそそられることに。

建物の利用者がほぼ男子ってところも汚さの原因だけれど、
そこへ多数の女子が掃除に来てくれる展開があったりと、
まるで文化祭的なノリへと変化して、多いに心がくすぐられる。
こうした全校生徒を巻き込む流れってのは楽しいね。

そんな中、海と俊は互いに惹かれ合っていくものの、
出生の秘密が明らかとなり、悲しい現実に打ちひしがれることに。
まぁ、ここまでは「安いメロドラマ」なんだけれど、そこからさらなる展開が。
そしてラストは気持ち良く終われる形に。





正直、『ゲド戦記』より数百倍面白かったです。
とにかくお話が分かりやすいってのは良いですね。
これは最近のジブリ作品にとっては大きな強味かも。

背景は昭和なのでノスタルジックな雰囲気はあるけれど、そこが主旨ではない。
また冒険モノではなく、あくまでもヒューマンドラマ。
なので人によっては退屈になるかもしれないけれど、
所々で食いつく見せ場もあるため、自分は退屈せずに最後まで見られました。

正直、これが監督1作目であれば吾朗の評価はだいぶ違ったと思う。
「父親と違ってこういう雰囲気で描く方なんだね」と、
ジブリへの新しい風を視聴者が感じてくれたかもしれない。
しかし『ゲド』があってこの作品が2作目にくると、
どうにも色々な人の知恵を多分に借りたんじゃないかと疑ってしまうなと。
それぐらいまともなデキでした。

少しばかり成長が垣間見えたのは、その演出方法。
『ゲド』では、宮崎駿作品の様々な見せ場を寄せ集めただけのパクリ臭が強烈だったけれど、
今回はそうした父親の演出がなぜ良いのかを咀嚼し理解したうえで、
『コクリコ』なりの形でやんわりと使ってきている。
直接的ではなく、作品に合わせてここぞという場面にほんのり入れてくる感じ。

まだまだ未熟なところはあるけれど、見られる作品になっていることは間違い無いです。







◆総括
これ、ハマる人は結構ハマるかもね。

淡い初恋の切なさが伝わってくるため、
女性が見るとキュンとなるシーンが多々あるように思えました。
男性視点からは「カルチェラタン」の掃除展開にワクワクしたり。
男の巣窟に女子が勝ち気にワ~と押し寄せてお掃除してくれる。これたまらないね。
また終盤では何カ所か涙をそそられる部分もあり、
見る人の年代、性別によって、色々とフックする部分がある作品だと思えました。

BDが出たら買うかどうかで判断すると、買うまでには至りません。
ですが、TVで放映されたらもう一度見たい。録画して残しておこうと思える作品。
父親を脅かすほどではないけれど、私的には『ハウルの動く城』よりは好きです。

『ゲド』の悪評があるためスタート動員数は見込めないだろうけど、
話題の広がり次第ではどうなるか。

1つ言えることは、
吾朗、首が繋がったな!

ちなみに、調理&食事シーンが何度か出てくるので、
お腹は空かせていかないほうが良いですよ。





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コメント 17

ちっぴぃ

全く期待していなかったのですが、見に行ってみようかなと思えるようになりました。

なんか自分ハマりそうな気がします。
by ちっぴぃ (2011-07-06 01:50) 

ちょいのり

気にはしてたのですが、やっぱり前作の評価がって思ってましたですw
なるほど~、これは見ておきたいかもです。

でも、それでもやっぱりジブリの冒険活劇が見たいなあ・・・

by ちょいのり (2011-07-06 03:01) 

凪

確かに情報が少ない印象ですよね,今回の。記事を拝見して,「あれ,もう公開なの?」と思ってしまいましたw

試写会ご当選おめでとうございます♪
感想を拝見し,「席が取れるようなら観ておこうかな」と思いました^^

by (2011-07-06 04:04) 

Gomarz

7月16日から公開だと聞いて驚きですね、いつもの
ジブリ作品なら、もっと前から日テレが盛り上げまくって
大々的に公開!といった感じなのに、

アレ、今回、なんかひっそりしてね?

と、思いました。なにか意図があるのだろうか
やっぱり、あの吾朗の作品だから? でも今回のこの作品
吾朗、背水の陣だよね・・

>>終盤では何カ所か涙をそそられる部分もあり
まじですか~ なんかじんわり涙が出そうになるような
感じなのかな・・・? なんとなく想像できる!
涙が出そうになるくらい感情が動かされる作品になっている
というのは大きな成長ですなあ・・・ 

>>吾朗、首が繋がったな!
ワロタww この言葉が、この作品の評価を
分かり易く表現しすぎ。 

あと、この作品は脚本に宮崎駿がかかわっているっていうのも
いい感じになった理由かも?と思ったり・・・ゲドは脚本も
吾朗がやっていたからね・・・

by Gomarz (2011-07-06 12:30) 

カルディア

ちっぴぃさん>
こんばんは~(・∀・) ゞ niceありがとうございます!

もし自分が普通に1800円出して観に行ったとしても、
損したとは思わないデキですね。
映画は見に行くほうなので価値観は違うかもしれませんが。

もしかしたらハマれるかもしれませんよ~。

by カルディア (2011-07-07 02:20) 

カルディア

ちょいのりさん>
こんばんは~(・∀・) ゞ niceありがとうございます!

ジブリに冒険活劇はもう望めないんじゃないかなぁ。
それなら『星を追う子ども』を推しますよ。

by カルディア (2011-07-07 02:20) 

カルディア

凪さん>
こんばんは~(・∀・) ゞ niceありがとうございます!

公開しばらくは席が取れそうですね。
あとは話題がどう広がっていくか・・・
それ次第で徐々に埋まっていく予感もします。

by カルディア (2011-07-07 02:21) 

カルディア

Gomarzさん>
こんばんは~(・∀・) ゞ niceありがとうございます!

たしかにCMもあまり見ませんね。
やっていたとしても劇中の絵をあまり見せてくれないという。
なのでどんな話なのかもサッパリ。
「カルチェラタン」の楽しい雰囲気を入れた
新しいCMを作ればいいのに、って思ってみたり。
前回がナニだっただけに、逆に控えめにいく戦略かもしれませんね。

>なんかじんわり涙が出そうになるような
直球で涙を誘っているわけではないんですよ。
なので見る人によってフックする場所は異なるなと。
自分の琴線に触れた箇所が3つほどあったという感じです。

>脚本に宮崎駿がかかわっているっていうのも
完全に情報を遮断していたので、それすら知らなかったw
だから見られる作品には出来上がっていたんですね。
ストーリーに緩急があって、手慣れた作りだなとは思えたんですよ。
まぁ、そうやって監督を育てていくのも今のジブリには必要なんでしょうね。

by カルディア (2011-07-07 02:21) 

たなけん(裏)

カルディア様

こんにちわ~。

>懲りもせずに2作目となる『コクリコ坂から』を公開。
懲wりwもwせwずwにw
まぁー、まぁー、吾朗様も色々と社内で頑張ってるらしいので、(ゲドのことはまあ置いといて)応援してあげましょうね~!ww

by たなけん(裏) (2011-07-07 10:18) 

やまにゃん

コクリコ坂見に行きたいですww

お腹を空かせないで行くようにしますね(笑)
by やまにゃん (2011-07-07 23:23) 

カルディア

たなけん(裏)さん>
こんばんは~(・∀・) ゞ niceありがとうございます!

『ゲド』があまりにも悪かったですからねぇ。
あそこで懲りないのは引き際が悪いと感じずにいられなかったです。

でもおっしゃるように、ジブリ存続のためにも頑張ってもらわなくては、ですね。
『コクリコ』を観て、応援してあげようという気持ちにはなりましたw

by カルディア (2011-07-08 01:05) 

カルディア

やまにゃんさん>
こんばんは~(・∀・) ゞ niceありがとうございます!

宮崎駿作品ではないので
あまり期待は大きく持たないようにお願いしますねw

和食なのでインパクトは薄いですが、
ジブリお得意の食事シーンはやっぱり惹かれるものがありました。

by カルディア (2011-07-08 01:05) 

カルディア

つるぎうおさん
水銀さん
ウザコさん
エムジェイさん
SORIさん
Dionysusroomさん
かしさん
manaさん
usakoさん
askさん
bitさん
くま・てーとくさん
ふもっ!?さん
あすぱいさん
アロンダイトさん

niceありがとうございます(^ ▽ ^)

by カルディア (2011-07-10 02:03) 

urara

はじめまして。
私も一足先に試写会で見て、「吾朗、何とか首繋がりそう?」と思いました(笑)
でも今回は御大の企画・脚本なので、駄目ならむしろ御大のせいだろとも思ってましたが。
by urara (2011-07-10 19:31) 

カルディア

uraraさん>
はじめまして。コメントありがとうございます。

実は御大の脚本ってことを感想書いたあとに知りました。
それでどこか納得してみたり(笑)
一般公開でどれだけ集客があるかですね~

by カルディア (2011-07-11 01:07) 

千代唄

毒吐かさせて頂きます。
高橋千鶴さんの「コクリコ坂」は駿氏の自慰の為に汚されました。彼がオリジナルに惹かれたのは若かりし頃に没頭していただろう運動と原作前半をダブらせたのと、また原作では70年代の話が'63年に変えられたのは「歪んだ青春」というドキュメント番組の放送年だった事に他なりません。
この映画の脚本は駿氏であり実質、駿氏の演出であると言えます。
気分を害されると思いますが、申し訳ありません。
by 千代唄 (2011-07-13 12:25) 

カルディア

千代唄さん>

汚されたって感じは全然無かったですけどね。
過去作品をそのまま映画化しても今の世代にはウケないだろうし。
宮崎駿が脚本やったというならなおさらです。
あなたはご覧になられたのですか?
原作とは異なるかもしれませんが、1作品としてちゃんとしたものが出来上がってましたよ。

by カルディア (2011-07-13 23:48) 

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