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ファンタジックチルドレン [◆アニメ]

この作品を自分がどんな感じで観てきたのかを
つづってみようと思います。
(一応、見ていない人のために重要部分は控え目にしています)


正直言って放送開始直後の数話を観て「面白くないな」と感じました。
そう感じさせたのは、まず絵柄です。
風景は綺麗なんですが、キャラクターが今風ではない単調さ。
描き込まれていないというか、ノッペリした印象。

そしてストーリーも。
主人公格のトーマという男の子は、いわゆる”やんちゃボウズ”で行動派
物事もハッキリ言うので性格はつかみ易かったです。
しかし、その他のキャラクターはつかみ所の無いヤツばかり。

その中でも一番気になるのがヒロイン格のヘルガという少女
これがまた地味な格好で、ほとんどしゃべらず、
黙々と絵ばかりを描いているという状態。
トーマが話しかけても何も反応しない。かなり引き篭りなイメージでした。
「ヘルガ!」と名前を呼んでも黙々と絵を描く。
「どうする?」と問いかけても無視。
それでいて「トーマ、お願い!」と懇願する。
むしろ腹が立つぐらい嫌な感じでした。
それでもヘルガに何かを感じて、追われる彼女をその身を挺して
トーマは守るのです。
なんなんだ一体…という感じ。

ヘルガの描いている絵はいつも同じ。
パステルのようなもので色鮮やかに一心不乱に描いているわけです。
その風景に何か意味があるんだろうけれど、
その絵しか描かないっていうのも怖い。


そして”べフォールの子供たち”と呼ばれる7人の少年少女の存在。
白髪まじりで見た目は子供なのだが、言動は大人。
何かを探しているようでありながら、それが何かがわからない。
こいつらがトーマやヘルガに
どのように絡んでくるのか検討がつきませんでした。
この7人の内、なぜか1人が同行するのを嫌がり、
もう1人は何かわからない組織の人間に連れて行かれてしまう。
結局のところ残った5人で旅に出るという状態に。

もう、この時点で何がなんだかさっぱり
それでいて萌えのない絵柄。
子供なら2、3話で見るのをやめそうな作品ですよ!
観たい度10%ぐらいです。
正直、自分は5話目あたりで観るのをやめようと思いました。

 

…が、ここまで来て何も謎が解けないまま
観るのを中断するのは、とてもシャクです。
せめて”べフォールの子供たち”が何を探しているのか、
そしてヘルガが描く絵について分かるまでは観続けよう、
わかったら観るのをやめよう、そう思っていました。

むしろこの単調な絵柄…きっと何かあるかもしれない、
そんな気持ちもありました。

10話…まだ謎だらけ。ゲド機関というわけのわからない存在が増える。
12話…キルヒナーとかゲートとか、また複雑なことに。
13話…なんか別の土地の話に変わる。…なんでしょう、これは?
そして”べフォールの子供たち”とヘルガ、トーマとの接触。
いよいよか!?

そんなところで12月が終わり、1クール終了。

ちょっとまてーー!
何もわからないまま1クールかよ!!
そうです、2クール目に突入です。
わけがわからずも、ファンタジー色の強い異世界の物語が続くのです。

20話…ヘルガの絵の謎が完全に解明。なるほど、そういうことだったのね。
だいぶ話が掴めてきた状態となり、少しずつ全体像が見えてきました。
でもまだまだ謎が多い状態なので観続けることに。

そして残り3話となった衝撃の24話。
トーマの放った一言に鳥肌が立ちました。

そう、まさにこの瞬間のために今まで観てきた
言ってもいいぐらいでした。
この瞬間、これまで10%ぐらいの「観たい度」が120%に上昇!!
大げさですが一気に名作の領域に達しました。
ヤバイ! 早く続きを観せろーーー!

25話、そして最終話の26話…釘付けでした。

途中で知ったのですが、原作&監督&キャラデザインは、
「ピータパンの冒険」や「パルムの樹」を制作した、なかむらたかし氏。
そして「世界名作劇場」を手がけた日本アニメーションが、
「未来少年コナン」のスタッフで作り上げた作品だとのこと。
名作になる材料はそろっていたというわけです。


最終話は、もう感動でした。
全ての謎を知ったうえで、もう一度初めから観てみたい!
あいつがアレで、こいつがそうなって…。
そんな風にもう一度確かめながら観てみたい! そんな作品です。
これは子供が観ても楽しくない、まさに大人のアニメ

オープニングの曲もいい味出していました。
そしてエンディングの絵も、改めて観るととても感慨深いもの。
ヘルガに無視されながらも守るトーマの姿には、
全てを観終わった今、心に突き刺さるものがあります。

欲を言えば、話が長すぎるので1クールに収めてほしかったのと、
その後の話というものを1話作って欲しかった点です。

でもこれは、一見の価値あり。
1クール分は我慢しつつ、ぜひ観てもらいたいですね。

総評:久々に暖かい気持ちで感動しました。


↑観ていた方にはわかりますね…。そんなイラストです。


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オレンジ

ファンタジックチルドレン、私はケーブルで見ているのですが
今7話目くらいで、カルディアさんの書かれた通り、そうとうイライラしています。
もったいぶっててやたら暗くて重々しい割に、ぜんぜん謎が解けてこないし。
ヘルガは、いくら何でも失礼でしょ、ってくらい消極的でムカツクし。

でも、このあと名作になるんですね。
気を取り直して、見続けることにしました。名作になるまで我慢我慢。
青の6号も、4話中3話はひたすら我慢で、4話目でめちゃめちゃ感動しました。
ときどき、そういう作品あるんですよねー。
ネタバレしないように書いてくださったのに感謝!
by オレンジ (2005-03-31 02:35) 

カルディア

>オレンジさん
ケーブルで放映中ですか! 7話目ということは、おっしゃるとおり話の展開が遅くて何が何やらな時期ですね。「この子供たちはなんだ? よくわからん!」って感じでしょうか。けれど後々「あの時のアレが!?」という伏線が多々あったりもする時期です。
登場人物全員を把握しつつ、20話ぐらいまで見たら色々と推測してみてください。すると後々「やられた! それか!」という感じになって、ラストまで一気に見てしまうことでしょう。そこまで見続ける根気が必要な作品ではありますが(笑)
賛否両論だとは思いますが、最後まで観た方であれば、おそらく感動できる作品だと思っています。
けれど観ていた方は少ないだろうな…と。そう感じて、気が向けば観てもらいたいと思い、ネタは控えめにして書きました。ぜひそのまま見続けてみてください~。
by カルディア (2005-04-01 00:10) 

カルディア

>ハミルトニアン
niceありがとうございます!(^^
by カルディア (2005-06-10 03:24) 

める

買ったばっかのスカパーでつけたら、たまたまやっていてピーターパンの作画が好きなので(最初Xファイルっぽい話は退屈だったし)観てたんです。
歌はわりかし綺麗なんでがんばって観続けるうち第何話?で急激にはまりました!オリジナルか原作あるのか判んないけど壮大で美しい話なんですっごい好きです。
by める (2005-08-12 21:07) 

カルディア

>めるさん
こんばんわー^^ スカパーでやってるんですね!

>がんばって観続けるうち
そうなんです。頑張って観続けるのが必要な作品なんですよねー(笑) 序盤は謎だらけで視聴者置いてけぼりな感じですし。おそらくオリジナルだと思いますが、早い段階でハマったのであれば、後半はもう、目が離せませんよ!
by カルディア (2005-08-13 00:59) 

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