築地で昼飯でも食べますかっ！

 「刺身が食いたい」
その一言で始まった。

刺身好きっす、寿司好きっす～、な自分としては
以前から行ってみたいと思っていた場所。それが築地。

というわけで、友人と築地の正門前で待ち合わせ。

それにしても駅の改札を抜けたあたりから生臭さが漂っている築地。
さすがだ。



正直、年配のご夫婦や男友達でつるんで来ている方が多いと思っていた。
しかも３連休の半ばということで、人もまばらで客は浮いてしまう存在かなと。

だが甘かった！








すんげ～人！　なにコレ!?

しかも若いカップルが多い！　築地はいつからデートコースになった!?
別の意味で俺たち男２人は浮いているんじゃないか？（笑
そんな雰囲気の中、市場の中を歩き回る。


さて…どの店に入ろうか。
ちなみに予備知識は一切無し。
30分ほど歩き回ったのち、１つの店に絞ることに。

これまたすんげ～行列！





「列の長いところは旨いんだよ、きっと！」
そんな友人の言葉に乗って並んではみたけれど、列は一向に進む気配なし。

なんとなく「美味しんぼ」の冷やし中華の回を思い出す。
”行列のできる店は、有名になったがために客対応が悪くなり質も悪い”的なセリフ。

テレビや雑誌で取り上げられてイイ気になってしまいサービス悪化。
これまで何度かそういう店に当たったことがあるので、ちと心配にはなった。





日差しの暑い中、１時間半も並んでようやく列の先頭までたどり着く。

それにしても久しぶりに長い行列に並んだな…。
歩き続けるよりも辛いね。しかもお腹ペコペコ…。

選んだ店は”仲家”という店。




店の前の写真付きメニューを見ると、疲れも飛んでテンションが上がってくる！

ワクワクな気持ちで中の客が出てくるのを待っていると、
店の兄ちゃんが注文を聞いてくる。
なんていうか…ちょっと対応悪いな（笑

こっちも長々と並んだうえに腹も減っているのでピクリと反応してしまう。
てか、まずは長い列に並んでまで来た客に、感謝の言葉とかないの？
「お待たせしました」ぐらいは言ってもいいよな。


店の入り口はガラス扉で、そこに雑誌の切り抜きがペタペタ貼ってある。
”この店はこんなに紹介されました！”　的にね。
ああ、やっぱり。

いや、この兄ちゃんは海の男のなのさ、きっと。
とにかくあまりにも腹が空き過ぎていたため、店の兄ちゃんの対応はスルー。
そして勧められるまま店内へ。




店に入るとなぜか音楽はジャマイカン！　なぜ!?

カウンターのみで10席ぐらいの狭い空間。
すぐに運ばれてくる、丼。
もうなんでもいいよ～と思ってはいたが、
やはり待ちに待った築地の刺身にテンションアップ！

注文したのは”トロうにイクラ丼”。1800円。


食べる前に撮影を……と思ったが、撮るなと兄ちゃんに一喝される。
その言い方もちと気に入らなかったので、こちらもそれなりの返答をする。
でもまぁ、そういうルールなら仕方ない。郷に入りては郷に従え。
と思っていたら、自分以外にも撮影しようとして注意される人が。
張り紙でもしておけばいいのに。




視線を丼へと戻す。
盛り付けられたワサビを小皿に入れ替え、醤油を浸してそれを丼にかける。
そして一気にかっ込むわけさ！


……うん、まぁまぁ…かな。


ここで１つの言葉がよぎる。
「生きるモノにとっての最高の調味料とは何か？」
それは空腹。

冷静に味わってみると、普段食べている刺身とさほど変わらない。

しかもご飯が少なっ！
味噌汁も付くけど、ぬるっ！

という状況のまま、とりあえず平らげる。




実のところ１時間半も並んだため、時間はすでに13時を回っていた。
外はまだまだ行列。
店は14時までということなのだが、大丈夫なのだろうか？

お茶をすすっていると、１人のお客が入ってきた。
「ここ何時まで？」
店の兄ちゃんが14時と返すと、客はあからさまに嫌な顔をする。
「だってまだみんな並んでるよ!?　大丈夫なの？」
ちょうど今、俺もそう思ったところさ。
兄ちゃんはその客に大丈夫だと返していたが、それもどうなのか。

外の行列を仕切る人はいない。
どこかで列を区切らなければ、ずっと列ができたままになるんじゃないかな。

そんな心配をよそに、兄ちゃんはメシ炊き担当なのか、
「米くれ、米！」
と、店の奥の人へ連呼。
そうか、ご飯が足らないのか……

ん？　それでこの丼のご飯の量も少ないんじゃないだろうな!?
そんな疑惑さえ浮かんでくる。




あっという間に食事終了。支払いを済ませ、外に出る。

うっわ……
自分が並び始めたときと列の長さ変わっていない。
列を残した状態で”終わりました”になりそうな予感。
…が、並び疲れてヘロヘロになっていたので、気にせず移動し、休憩。


正直、腹６分ぐらい。

”旨い、安い、大盛り”と思っていた築地のメシ。
なんだかすべてひっくり返された気分だ。

”行列のできる店は…”は、やはり当たっていたなと確信する。




そんな築地での思い出になってしまったけれど、他の店を覗くと良い雰囲気。
そのまま場外市場を探検しつつ、
まだまだ旨そうなものがいっぱいあることを確認する。

とにかく１度の経験だけじゃ全ては分からないので、
また機会があれば行ってみようと思う。

仲家だけは行かないけどな！(・∀・)