SSブログ

まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語 感想&ストーリー考察 [ネタバレ] [【アニメ】劇場版レビュー]

000a.jpg
「何が起こっているんだ?」

綺麗に終わったTV版&総集編二作。
あの続きからどう展開させるのかが気になる新作。
まどかとほむらの結末は? 「叛逆」とは!?

【注!:ネタバレしています】
見ていない方は読まないことをお勧めします。




◆ストーリー(私的な解釈&考察を含む)

さやか、杏子、まどかの3人が戦う相手は"ナイトメア"。
魔女でも魔獣でもない、新たな敵。
翌朝、第一話と同じように鹿目家の平和な日常が映し出される。
登校するまどかを待っていたのは制服姿のさやかと杏子。
その日、三つ編みの大人しい姿でほむらが転校してくる。
指には魔法少女を示すリング。即座に同志だと認識する3人。

夜、仁美が恭介にアプローチの電話を入れるが、
音楽を優先する恭介の言葉に鬱憤を露わにする。
これにより仁美がナイトメア化してしまう。
退治に向かった5人は豪快な戦いで敵を仕留める。
捕まえたナイトメアをテーブルに乗せ、5人で囲って何やら不思議なやり取りを交わすと、
マミの傍にいる"べべ"(シャルロッテ)が口からピエロ顔を出してナイトメアを食らって決着。

何かがおかしいと勘づき始めたほむらは杏子を呼び出す。
一番不可解なのは杏子だからというのが理由。
(制服を着て学校に通っているからだろう)
杏子が以前縄張りにしていた町へとバスを使って二人で向かうが、バスは止まらない。
徒歩でも到達できず、元の場所(見滝原市)へと戻ってきてしまう。
この世界には見滝原市しか存在しないのではないかと勘ぐったほむらは、
その手口から魔女の仕業だと推察。
(ここで魔女のいた頃の世界で起こった出来事もすべて思い出した模様)

今この世界にいる魔女。それはマミの傍にいるベベしかいない。
マミの部屋でまどかと3人でお茶する中、時間を止めてベベに詰め寄るほむら。
(ほむらに触れた者は時間停止の世界でも動けるようになるらしい)
部屋を飛び出してベベを執拗に攻撃するが、真相は何一つ語られない。
そこへ敵意を向けるマミが現れる。
(いつの間にかほむらの足にはマミのリボンが絡みついていたのがマミの動ける理由)
マミとほむらの激しい銃撃戦。互いに動きを見慣れているのか決め手に欠く攻防が続く。
隙を作らせリボンを裂くほむら。その瞬間、マミの時が止まり無抵抗となる。
躊躇いながらマミの脚に弾を撃ち込むが、その体はマミの作りだした幻影であり、
逆にほむらは体を縛り上げられて自由を奪われる。
そんなほむらを救い出したのはさやかだった。
残されたマミの前ではベベが少女の姿(なぎさ)に変わり、すべてを話すと口を開く。
(なぎさはおそらくシャルロッテになる前の魔法少女の頃の姿)

ほむらと二人きりになったさやかから、"魔女"という単語が口をつく。
このさやかは法則改編前の世界を知っている。
さらに概念となってしまったまどかのことも知っている。
すべてのピースを当てはめていくと魔女が誰かという結論が導き出される。
それは、ほむら自身だった。

なぜほむらは魔女化してしまったのか。
その答えはキュゥべえからもたらされる。
この世界はほむらが生みだした創作の世界。
現実世界のほむらは大きな器の中で寝かされている。
そこはキュゥべえが作った装置であり、「円環の理」からの干渉を遮断する場所。
つまり概念となったまどかの影響を受けない場所であり、
故意にソウルジェムを濁らせられてしまう空間だった。
キュゥべえにとって、ほむらは実験体。
その目論見の先にあるのは、今のキュゥべえには見えない「円環の理」
(=概念となったまどかの存在)を見つけるため。
見ることができれば観測ができ、ひいては支配もできる。
まどかを支配することは宇宙そのものを支配できることと同義。

まどかを支配下に置かせまいと、魔女化した姿で抵抗するほむら。
干渉を遮断された場所に身を投じれば二度とまどかに会えない。
キュゥべえはまどかに救いを求めろと、まどか出現を催促する。
だがほむらは自分が消えることがまどかにとって良いと抗う。
そこへ事態を知ったさやかとなぎさが装置の破壊をおこない、
ほむらを装置から救い出そうと奮闘する。

装置は壊される。
そこに現れたのは概念となったまどか(アルティメットまどか)。
優しく包み込んでくるまどかに手を伸ばし、
ほむらとまどかはついに現実世界で再会する。
――が、にやりと微笑を浮かべるほむら。
「この時を待っていた」と。
ほむらはまどかを取り込み、なんと宇宙の概念を書き換えてしまう。
まどかの作った"魔女のいない世界"という概念を上書きするほどの強い力。
そこまでなし得ることができる強い想いとは何なのか。
それはまどかに注がれた大きな「愛」。
まどかが神と呼ばれる存在ならば、今の私は「悪魔」だとほくそ笑む。

そして世界は日常を取り戻す。
まどかの一部を吸収して強大な力を得たほむらが作り直した新たなる世界。
いつもの教室に、まどかが転校してくる。
まるで最初に二人が出会った一幕を入れ替えたような光景であり、
ほむらが願ったまどかのいる世界がようやく実現した瞬間。
まどかに群がる生徒らを引き離し、校内を案内すると連れ出すほむら。
あの日の出会いからやり直そうとしているのか、当時をなぞるように言葉を継ぐ。
その会話の中で、ふとまどかは何かが違うと気づいてしまう。
驚き示すほむらは、まどかに沸いた疑念を打ち払うように抱きしめる。
ほむらはいつも付けていた赤いリボンを外し、まどかの髪を結う。
「やっぱりあなたのほうが似合う」と。
そして、「いつかは敵になるかもね」と言い残す。

ほむらとキュゥべえの戦いは続いていた。
夜空には半分に欠けた月が浮かぶ中、
新たなソウルジェムを手にほむらは笑みを浮かべ、
そして横倒しに崩れて――幕は閉じる。



・・・以上、上記は映画を見ながら解釈したままを書き連ねてみました。
一度見ただけの解釈なので相違する箇所はあると思います。



◆感想
序盤はただジッと見ているだけで、華やかで楽しめた感。
各自の変身シーンはスローで拝みたくなるほど格好良く、
また少し扇情的にも見えてグッドでした。
5人そろった状況はもちろん現実ではないのは分かっているため、
これが何なのかと明かされていく中盤は、少しややこしくなった感じを受けたかな。
人によってはわけわからないで終わる可能性もある、目まぐるしい終盤だったなと。

複雑さもあったけれど全体的に目が離せる箇所がなく、退屈せずに楽しめたところは素晴らしい。
ただ、あれだけ綺麗に終わったTV版と比べると蛇足感は否めない。
どこかわだかまりを残した黒いラスト。
まどかが神化して綺麗に終えたTV版は白。対照的な新編。
見終わったあとはドーンと静まる空気が場内に漂っていたなと。

きっと見た人は、TV版のような素敵なラストを描いてほしいと思うだろうね。
だからさらに続編を望む声も出てきそうな気がする。
それを狙ったとすれば、してやられた感。
また全編通して解釈に詰まるところも多い。
よって見終わったあとに意見を言い合いたくなる気持ちにさせられる。
そういう意味では凄いもの作ったなと素直に驚く。

とにかくほむらの熱く重い愛情がすべての熱量。
まどかの本心を聞いて「どんな手を使ってでも(神化は)止めるべきだった」と悔み、
その瞬間に自らが悪魔になってでもまどかの願いや幸せを一番に考え、
なんら悪意も疑問ももたず、ただ純粋に行動を起こしたように思える。
それほどまでに友達に強烈な愛情を注げるのは凄い。
神に抗ってもなお自分の想いを遂げる叛逆の物語。
いかにほむらがまどかを好きかを知らしめた新編でした。



◆疑問
・シャルロッテをベベとしてマミの傍に置いたのはなぜか。
マミの意識とともに合わせて入ってきてしまったとか?
シャルロッテの希望だったのか?
・どの瞬間で、ほむらはまどかを取り込もうと考えたのか。
ずっと前からなのか、現実を知った時からなのか。
・最後にほむらが横向きで倒れた意味は何を示すのか。
意味深な演出なだけな気もするけれど、半分の月も気になるところ。



◆総括
もしまだ見ていない人がこれを読んだのなら、文字程度で理解するのはかなりまずい。
多様な解釈を生む内容であるし、見れば自分とは違ったものを必ず感じ取れる。
内容は賛否両論のある仕上がりだろうけれど、『まどマギ』が好きなら見てみるべき作品。
ちなみに自分は賛のほう。





色紙はマミ&なぎさでした。




【関連記事】
劇場版 魔法少女まどかマギカ [後編] ネタバレあり感想
劇場版 魔法少女まどかマギカ [前編] ネタバレあり感想



劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語(完全生産限定版) [Blu-ray]

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語(完全生産限定版) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • メディア: Blu-ray


劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語(通常版) [Blu-ray]

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語(通常版) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • メディア: Blu-ray












nice!(11)  コメント(4)  トラックバック(2) 
共通テーマ:アニメ

nice! 11

コメント 4

ALONSO

私も昨日ようやく観に行って来ました。平日なら席にも余裕はありますからね…。

賛否両論分かれる可能性は高い。全く先が読めない展開は好きです。

確かにこれは見ないと何もわからない。いわゆる「完結編」のようなものがあるのなら最後まで見届けたい気持ちもある。

虚淵脚本はキャラクターの内面的描写が上手くて好きです。少し話がずれますが現在放映中でやはり虚淵氏が脚本を手掛ける『仮面ライダー鎧武』だって周囲が言うほど悪くないですよ。

パンフレットも購入しましたが表紙が随分と凝った作りでした(1000円もしたけど)。入場特典の色紙はさやか&杏子。劇中での二人の共闘は胸が熱くなったよ。


by ALONSO (2013-11-01 00:09) 

カルディア

ALONSOさん>
こんばんは。コメントありがとうございます。

まったく先が読めなかったですね。
というか、中盤以降は解釈しながら追っていくのに必死でした。
泣けたり心揺さぶるような激しい終わり方ではないですが、
心にドーンとのしかかるインパクトはあったなと。
記事を書いたあとも色々と考えが広がるのですが、
ほむらの気持ちを汲み取ると肺腑が締め付けられる思いですよ。
ラストを知った上でもう一度見てみたいなあ。

>随分と凝った作りでした
今しか買えない限定仕様のパンフですね。
無くなれば装飾なし版になるので買って正解だと思いますよー。

by カルディア (2013-11-02 01:51) 

NO NAME

この作品(TV版)のモチーフは何かと考えた結果
モチーフが何か分かった
それは新約聖書
新約聖書では
神は人に原罪を与え
キリストはその原罪を一人背負って死んでいった
ごく少数の人を天国へと導く為に
マドマギでは
魔法少女はキュウベェによって魔女になる運命になってしまった
マドカは魔女になる運命の少女を助けるた為に一人理の外へ行った
人類の中のごく少数の少女が魔女にならない為に

そして今回新作映画は
その新約聖書ですら回答が書かれて無い
死んだキリストを甦らせる話になっている
つまり、人の原罪を背負って死んだキリストをどうやって甦らせるか
という話である
魔法少女を助けるために理の外へ行ったまどかを
魔法少女が助ける話なのだ
これは聖書の改定に近い壮大な物語なのだ
旧約聖書を読み、新約聖書を読み
そしてまどか☆マギカをすべて見るとその内容の素晴らしさが分かるだろう
by NO NAME (2014-04-15 10:26) 

カルディア

NO NAMEさん>
新約聖書まで考えが及ばなかったです。
そのような考察を導いてくれる内容になっていたのですね。

by カルディア (2014-04-16 23:08) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2